海洋学部が青少年体験セミナー「海の生き物の子ども達の観察会」の運営に協力しました

海洋学部では、7月31日に清水キャンパスで実施した青少年体験セミナー「海の生き物の子ども達(通称:ちりめんモンスター)の観察会」(主催:静岡商工会議所、海のみらい静岡友の会)の運営に協力しました。本イベントは、静岡市民に海や自然に親しんでもらいながら、海洋地球科学と海洋生物学の知識の重要性を知ってもらおうと毎年開催されているものです。昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受けてオンラインで実施しましたが、今回は会場入口での検温や手指の消毒をはじめとした感染対策を徹底し、対面形式で行いました。

当日は、約50名の親子が参加。水産学科の秋山信彦教授や松浦弘行准教授、高見宗広講師が進行を務め、学生8名が運営を補助しました。冒頭では、秋山教授がちりめんじゃこの由来について、「とても小さな魚を平らに広げて干した様子が、細かな凸凹をもつ布“ちりめん”を広げたように見えることからその名がつけられました。ちりめんじゃこといえばしらすを思い浮かべる人も多いと思いますが、しらすはカタクチイワシやマイワシの子どもです。生きているときは透明ですが、死んでしまうと白く変色します」と説明しました。魚類や甲殻類の幼生をスライドで紹介しながら、大人になったときの姿を当てるクイズも出題し、タイやイセエビなどの成長過程を見た子どもたちは、「全然違う!」「かわいい」と笑顔を見せていました。

続いて、松浦准教授がプランクトンの生態について紹介し、「プランクトンは浮遊生物のことを指し、自分の力で泳いでもあまり移動できない生物の総称です。とても小さな姿を想像すると思いますが、クラゲもプランクトンの一種で、大きさは関係ありません。今回観察するしらすも自力で泳げる範囲には限りがあるので、プランクトンの一種。大人になれば泳いで移動することができるので、“一時プランクトン”と呼ばれます。一方で、オキアミなどカイアシといったプランクトンのまま一生を終える種は、“終生プランクトン”と呼ばれています」と説明しました。

その後、学生たちがシャーレに入ったプランクトンを参加者に配布し、顕微鏡で観察。子どもたちは教員や学生のアドバイスを参考にしながら、ノートにイラストを描いたり、顕微鏡のレンズにスマホを近づけて撮影したりしていました。さらに、高見講師が駿河湾で見られる魚類の生態を紹介し、子どもたちは、「いろいろな魚やエビの子どもが見られて楽しかった」「撮影した写真を使って夏休みの自由研究にしたい」と笑顔で話していました。