医学部付属病院では7月31日に、厚木市内のホテルで「医療連携の会」を開催しました。特定機能病院としてさまざまな高度医療を開発・提供するとともに、急性期医療における地域の中核的医療機関としての役割を担う当院が、近隣の医療機関とのさらなる連携強化を図るために実施しているものです。当日は、付属病院が所在する伊勢原市をはじめ、平塚市、秦野市、厚木市など神奈川県湘南西部・東部、県西、県央地域の医療機関から、医療従事者ら158名が参加。当院からも医師、看護師、事務職員ら101名が出席しました。
第1部では、初めに病院本部の飯田政弘本部長が、「社会情勢の変化により、医療を取り巻く環境は厳しさを増しています。皆さまとの連携をさらに強め、この難局を乗り切りたいと思います」とあいさつ。続いて渡辺雅彦病院長が、当院の理念や基本方針、より充実した医療を提供するために新設した診療科と4つの疾患センターについて説明し、「地域の医療機関の皆さんとの“顔の見える関係”を強化し、地域完結型医療を推進していきたい」と語りました。その後、今年度に教授に昇格・就任した9名を紹介しました。



講演では、整形外科診療科長の酒井大輔教授が、「整形外科領域のロボット支援手術について」をテーマに、新たに導入した手術支援ロボットを用いて実施している脊髄と関節手術の特長を紹介。放射線治療科診療科長の菅原章友教授は、「有痛性骨転移に対する緩和的放射線治療」と題して、がんが骨に転移することで生じる疼痛を和らげる放射線治療について説明しました。続いて事務部の中村晃司部長が、創設50周年を迎えた医学部と付属病院に対するこれまでの協力への感謝を述べ、記念事業の概要を紹介。最後に大上研二医学部長が、「皆さまには、学生の教育や研究についてもご協力いただいています。学部と病院が、さらに地域に貢献できるよう努めていきます」と第1部を結びました。



会場を移して実施した第2部では、診療部長の小柳和夫教授、秦野伊勢原医師会の秋澤孝則会長のあいさつに続き、参加者が地域医療の課題や連携のあり方などについて意見交換。当院の認定看護師、専門看護師の役割や活動、超音波検査に関する地域連携の取り組みを紹介する動画も上映しました。最後に看護部の森悟子部長が来場者への謝辞と閉会の言葉を述べました。
参加した医療従事者からは、「病名が特定できない患者さんや治療が難しい患者さんに対応してくれる大学病院が近くにあるのはありがたい。こうした会を通じて、付属病院とクリニック間の患者さんの紹介がよりスムースになると期待しています」「この地域で活動する東海大学出身の医師が増えつつあるように思います。卒業生のつながりが医療連携の円滑化につながるとうれしい」といった感想が聞かれました。