医学部看護学科の錦戸典子教授(公衆衛生看護学領域)が3月14日に伊勢原キャンパスで、退任に伴う最終講義を行いました。本学部と大学院医学研究科の教員や卒業生、メディカルサイエンスカレッジオフィスの職員をはじめ、学外の研究者や近隣市町村の保健師らが参加。オンラインも併用し、多数が聴講しました。
産業保健看護学が専門の錦戸教授は、東京大学大学院医学系研究科で博士(保健学)を取得。IT企業における産業保健師や聖路加看護大学准教授、東京大学医学研究科健康科学・看護学専攻准教授などを経て、2004年に本学健康科学部看護学科(現・医学部看護学科)に教授として着任しました。14年から19年まで大学院健康科学研究科看護学専攻(現・医学研究科看護学専攻)の専攻長を務め、23年には日本産業精神保健学会「理事長賞」を受賞しています。
錦戸教授は、「支えていただいた皆様への感謝を込めて~40余年の研究・実践・教育を経て、今、考えること~」をテーマに講義。職場のストレス対策における産業看護職の役割や、がんの治療と仕事の両立への支援、中小企業における産業保健活動の推進といった多様な研究の概要を説明し、日本産業精神保健学会の会員としての活動や、大会長を務めた第26回同学会大会の様子についても紹介しました。さらに、本学科の学生や修士課程の大学院生、20年度に医学研究科先端医科学専攻(博士課程)に新設された看護学コースの大学院生と過ごした日々を振り返り、「お世話になった恩師や先輩、仲間たちに心から感謝します。将来、活躍していく看護師や保健師の皆さんを、これからも力の限り応援していきます」と結びました。
続いて、学内外の関係者が錦戸教授に感謝の言葉を送り、花束や記念品を贈呈。公衆衛生看護学領域の三橋祐子准教授は、錦戸教授との出会いや共に研究・教育に従事した思い出を振り返り、「先生が築いてくださった学科と大学院における産業保健看護学の分野をさらに発展させるため、他の教員らと力を合わせて精進していきます」と語りました。最後に本学科の今泉郷子学科長が、「錦戸先生と一緒に働けたことを心からありがたく思います。先生の多大なご功績をしっかりと引き継いで研究・教育を充実させていきます。引き続きご指導をお願いします」とあいさつ。会場は錦戸教授への温かい拍手で包まれました。