医学部看護学科の教員と学生らがアメリカ・メイヨクリニックの看護師と交流しました

医学部看護学科の教員と学生らが11月11日に伊勢原キャンパスで、アメリカ・メイヨクリニックの看護師4名と交流しました。本学科は国際性のある看護職の養成を目指し、先進的な医療で世界的に有名なメイヨクリニックと1995年から学術交流を続けています。今回は、本キャンパスにある医学部付属病院の見学や講演会を通じて、双方の看護教育や医療の現状について理解を深めました。

初めに今泉郷子学科長が、医学科と連携した授業や海外研修プログラムといった本学科の教育の特長を紹介。医学部付属病院の見学では、同病院の看護師と国際交流委員を務める本学科の教員が病棟や中央手術室、高度救命救急センターを案内し、医療の現状や課題について意見を交わしました。

2年次生の授業「ナーシング・グローバルスキル」の一環として実施した講演会では、同クリニックのセラマウィット・ウンガー氏が「患者による職場暴力の防止と攻撃性の最小化戦略について」をテーマに講演。学生や教職員、看護職ら多数が聴講しました。ウンガー氏は、医療機関において患者からスタッフへの暴力が発生するリスク要因や、暴力がスタッフと組織にもたらす影響、発生の予兆などを説明し、エビデンスに基づいた対策の重要性を指摘。同クリニックにおける防止策や暴力を受けた職員へのサポート体制、責任者の役割についても解説し、「患者さんのニーズは最優先ですが、スタッフの安全も同じくらい大切です。スタッフが安心して心配事や自分の思いを語れる環境や制度を整え、“安全文化”を醸成していくことが肝要です」とまとめました。

続くディスカッションでは、メイヨクリニックの看護師4名が登壇。「早期に暴力の兆候を発見するためのポイント」「アグレッシブな患者さんに落ち着いてもらう言葉のかけ方」「暴力をふるった患者の家族への働きかけや周囲の患者さんのサポート方法」といった会場からの質問に対し、同クリニックの看護師が具体的な事例を挙げながら丁寧に回答し、参加者と活発な意見交換を行いました。聴講した医学部付属病院の看護師は、「患者さんへの共感や組織的な対応の大切さにあらためて気づき、患者指導という考えも参考になりました。実践に向けて職場で相談したい」と語り、学生たちは、「臨床実習に向けて、多くの学びがありました。心配事や不安があった場合には、迷わずに先輩や上司に相談します」「“患者さんとスタッフの両方の安全を守る”という視点を意識しながら実習に臨みたい」と感想を話していました。