野上達也准教授が日本東洋医学会奨励賞を受賞

令和5年6月16日-18日、福岡市で開催された第73回日本東洋医学会学術総会において、医学部専門診療学系漢方医学の野上達也准教授が第35回日本東洋医学会奨励賞を受賞しました。

日本東洋医学会奨励賞は、漢方医学の進歩に寄与する優れた論文に対して授与されるもので、受賞対象となった研究は次の2報です。

★ Nogami T, Fujimoto M, Shimada Y, et al.: Incidence of kampo medicine-induced interstitial pneumonia: 10 year retrospective study at a university hospital kampo medicine department. Traditional & Kampo Medicine 6(1), 26-31, 2019.
大学病院に通院した患者における漢方薬による薬剤性間質性肺炎 の頻度を調査した研究。10年間の調査期間中に漢方薬を投与された3590名の患者のうち、3名(発症率、0.08%)が漢方薬による間質性肺炎を発症し、この3例の原因漢方薬の処方にはいずれもオウゴンが含まれ、オウゴンを含む漢方薬を処方された1111名の患者の漢方薬による間質 性肺炎の発症率は 0.27%であることを報告した。

★ Nogami T, Arai M, Ishigami T, et al.: Comparison of the 2011 and 2019 Kampo Medicine Curricula Across All Japanese Medical Schools. Tokai J Exp Clin Med. 46(2), 75-82, 2021.
2019年に日本のすべての医学部における漢方医学教育の実態調査を行い、2011年の調査時と比較し、日本の医学部における漢方医学教育の問題点や解決するべき課題について明らかにした研究。