体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科の萩裕美子教授のゼミに所属する学生5人が、11月8、9日に一橋大学国立キャンパスで開催された 「Sport Policy for Japan 2014」(SPJ)で特別賞を受賞しました。笹川スポーツ財団の後援で実施されているこの催しは、日本のスポーツの現状や将来について問題意識を持つ大 学3年生が所属大学の枠を超え、政策提言を持ち寄り、意見交換することを目的としています。4回目を迎えた今回は、16大学33チームの158名が参加し ました。
特別賞を受賞したのは、「登山を事例とした現代の健康寿命について~平均寿命と健康寿命の差の縮小に資する地域密着健康啓発イベントの提案~」について発 表した森健太朗さん、井上亜美さん、鈴木杏唯さん、前原新さん、森田ちひろさんのグループです。健康寿命が平均寿命を下回ることに着目し、その差を埋める ために湘南キャンパスに近い伊勢原市の大山をモデルケースとした”地域密着型の登山”を提案。「のんびり3時間コース」と「しっかり6時間コース」を設 け、産官学連携を目指し、学生が案内役を務めるほか、コース上には伊勢原市の名産品を楽しめる休憩所を設置するといった内容を盛り込みました。
「社会問題をスポーツで解決しようというテーマを設けて問題点を探していくうちに健康寿命と平均寿命の差に行き着きました。登山は近年ブームということも ありますし、継続的に運動習慣をつけることができるものだと考えました。また、笹川スポーツ財団が発行している『スポーツ白書』には、高齢者が興味を持っ ていても取り組めないものに登山があったことも要因でした」と前原さんは振り返ります。7月ごろから準備を始め、9月には実際に大山を訪れて60~70代 の男女に登山の魅力やイメージ、コースについてのアンケートを実施。11月の建学祭では登山未経験の高齢者にもアンケートを行ってプランを練っていきまし た。森さんは、「一部の地域・大学で実施しても健康寿命と平均寿命の差は縮まりませんが、大山をモデルケースとしてこの取り組みが全国に広がっていけば、 長期的に見てその差を縮めることはできると思います」と展望を語りました。指導した萩教授は、「ゼミの活動の一つとして1回目からSPJに参加してきまし た。他大学の学生と意見を競わせ、審査員の方々から講評をいただき、外部と接することは学生にとって大きな学びにつながっていると思います。登山を通した 取り組みを今すぐ実現することは難しいかもしれませんが、ゼミとしてもこれから形にできるよう取り組んでいければと思います」と語っています。
なお、今回のSPJには本学科から3チームが参加。萩教授ゼミのもう一つのグループは「学生のネット依存による健康被害~スポーツによる軽減を目指し て~」について、大津克哉講師のゼミは「神奈川県から発信する新たなスポーツ振興モデルの提案―スポーツ観戦者数の増加を目指して―」についてそれぞれ発 表しました。