皇后杯全日本女子柔道選手権大会が4月16日に横浜文化体育館で開催され、女子柔道部から卒業生を含む3選手が出場。朝比奈沙羅選手(体育学部3年次生)が決勝で田知本愛選手(体育学部卒・ALSOK)との同門対決を制して初優勝を飾り、大会終了後に行われた強化委員会で8月に行われるブダペスト世界柔道選手権大会78kg超級の日本代表にも初選出されました。
高校2年生で本大会に初出場ながらベスト8に入り、飛躍のきっかけをつかんだ朝比奈選手は、「他の大会に比べて思い入れも、優勝したいという気持ちも強い」と意気込んで試合に臨みました。初戦から準決勝までの4試合中3試合が延長戦にもつれ込み、「精神的にも体力的にも苦しい試合ばかりでした」と振り返ります。しかし4月の全日本選抜体重別選手権大会では初戦で敗退していただけに、「この大会で勝たないと世界選手権の代表に選んでもらえる可能性がなくなってしまうので、勝ちにこだわって、とにかく攻めました」という言葉通り、3試合で一本勝ちを収めて決勝に駒を進めました。一方、昨年の同大会でけがを負い、今大会が復帰戦となった田知本選手は、「大会前はこの畳にまた上がれるのかという不安な気持ちもありました」と話しましたが、試合になるとその不安を感じさせず、初戦からキレのある技を見せ、順調に勝ち上がりました。
決勝戦はお互いに足技を中心とした攻撃を出しながらもなかなかポイントにつなげることができず均衡した状態が続き、田知本選手に指導2、朝比奈選手に指導1が入った状態で終盤に差しかかりました。残り20秒で朝比奈選手が田知本選手の動きにうまく合わせ、払巻込みで有効を奪取。そのまま試合が終了し、朝比奈選手が初優勝を決めました。「私にとって特別なこの大会で優勝できてうれしい。目標は東京五輪に出場して金メダルを取ること。世界選手権でも上位を目指します。また、世界選手権で適用される、有効などがない新ルールへの対応もしっかりしていきます」と意気込みを語りました。田知本選手は、「優勝に一歩届かなかったのは気持ちにまだ弱いところがあったからだと思います。それでも、試合を通して強くなったところを見つけられたのでよかった」と話していました。なお、市橋寿々華選手(体育学部卒・大阪府警察)は5位に入賞しています。