大学院体育学研究科が「2020年度第3回健康・スポーツ科学セミナー」をオンラインで開催しました

大学院体育学研究科では1月29日に、「2020年度第3回健康・スポーツ科学セミナー」をオンラインで開催しました。このセミナーは、学内外から健康やスポーツ科学の専門家を招き大学院生や教職員に知識の幅を広げてもらおうと、年に4回開催しています。今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、WEBビデオ会議システム「Zoom」を用いてオンラインで実施。今回は本研究科を修了した3名を講師に招き、大学院生、学生、教員ら66名が参加しました。

初めに、早稲田大学スポーツ科学学術院研究助手の小澤悠氏(2015年度修了)が「運動制御のバイオメカニクス的評価」をテーマに講演。動作解析や筋電図解析をもとにした運動スキルの評価を専門とする小澤氏は、バレーボールのオーバーハンドパスの動作における筋活動の研究成果を紹介したほか、博士課程を目指す大学院生に向けて激励のメッセージを送りました。続いて、早稲田大学招聘研究員の木下敬太氏(2014年度修了)が、「日本とカナダのユースアスリートのモチベーションについて」と題し、ユーススポーツにおける課題を説明。昨年11月にカナダのオタワ大学で博士号を取得した木下氏は、近年日本で問題となっているユーススポーツ参加率の低下や、コーチをはじめ周りの大人からのハラスメントなどはカナダでも同様に課題となっていると提言し、課題解決策をまとめた博士論文の概要を解説しました。

最後に本学健康学部の遠藤慎也助教(2012年度修了)が「健康維持・増進にむけたコンディショニング法の探索」と題して講演しました。遠藤助教は本研究科修士課程を修了した後、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科に進学し、修士課程での成果をもとに「局所冷却と血流制限が脱トレーニングによって生じる筋力低下および筋委縮に及ぼす影響」について研究。扱っていた実験機器や研究結果などを解説したほか、「博士課程ではそれまでと異なる環境に身を置くことで、他大学の先生方とのネットワークが広がりました。授業運営や学生指導など、大学教員になるために必要な経験もできました」と自身の経験を振り返りました。

セミナーでは本研究科1年の大浦朱生さん、清水幹弥さん、福田昌平さんが運営をサポート。講演を振り返り、「博士課程への進学を考えている大学院生にとって参考になるお話が多く、修士課程のうちにやっておくべきことや日ごろの研究活動に対する姿勢などあらためて考える機会になりました」「これまではトップアスリートのパフォーマンスにフォーカスが当てられてきたが、体育・スポーツ科学の研究で得られた知見を一般の人にも応用していくために、どのような研究が求められているのかを考えることも必要だと感じました」「来年度から体育学研究科に博士課程が新設されるため、修士課程と博士課程の大学院生同士が互いにいい影響を与えられる関係性を築いていきたいとあらためて感じました」といった声が聞かれました。