体育学部とスポーツ医科学研究所では3月27日に、湘南キャンパスで中高生を対象にした「東海大学スポーツサイエンススクール」を開催しました。「飛び込め!スポーツサイエンスの海! 東海大学で最新の研究設備を使ってスポーツ科学の世界を体験してみよう」をテーマに、スポーツ科学の実験・体験を通してその魅力に触れてもらおうと、本学の施設を活用した地域貢献活動の一環として企画したものです。当日は神奈川県内在住の中高生7名と保護者2名が参加しました。


開校式では、スクール長の内山秀一教授(体育学部学部長)が、「東海大学の運動部は多くの競技で高いパフォーマンスレベルを発揮しています。選手たちの活躍を支え、発展させるのがスポーツ科学です。今日はその一端に触れ、さまざまな測定機器を体験して今後に役立ててください」とあいさつ。15号館の運動生理学実験室を主な会場に、Session1「運動生理学~生理学的指標を測定してみよう!」、Session2「アスレティックトレーニング~障害予防のため計測をしよう!」Session3「スポーツバイオメカニクス~スポーツで必要な“力”を測っていよう!」の3回に分けて体験型講義を開きました。



生理学のセッションでは、丹治史弥助教が運動するためのエネルギーが体内で産生される仕組みについて、心肺機能など身体能力の計測の方法をレクチャーし、参加者はエアロバイクの漕ぎ手、計測係、タイマー係など役割を分担して実験に挑みました。トレーニングセンターで行った障害予防のセッションでは、笹木正悟准教授が、けがの予防につながるトレーニング方法やテーピングの方法などを講義。スポーツバイオメカニクスに関するセッションは、スポーツ医科学研究所の小澤悠研究員(現:スポーツプロモーションセンター特任講師)と清水幹弥特定助手(大学院体育学研究科博士課程)、五十嵐健太研究員(スポーツ医科学研究所)が講師を務め、関節にかかる力(関節トルク)や、株式会社テック技販の協力を得て最新機器を使った垂直飛びの飛躍高と力積(力を加えた時間と大きさ)の測定を指導。結果を表示するグラフの読み方などを解説ました



修了式・閉校式では、副スクール長の山田洋教授(スポーツ医科学研究所所長)が参加者一人ひとりに修了証を授与。「今日の体験をきっかけに、これからもスポーツに興味を持ち続け、ぜひ東海大学に学びに来てください」と語り、実行委員長の小河原慶太教授が、「難しい講義もあったかもしれませんが、私たちはいつも“面白い”と感じることを大切に研究や実験に取り組んでいます。ぜひ皆さんもスポーツ科学に興味を持ち、講座に参加してください」と締めくくりました。



参加した高校2年生は、「バレーボール部員なので、負荷をかける位置によって腕の力が変わる実験が面白かった。日ごろの筋トレに生かしたい」、バドミントン部に所属している中学2年生は、「けがをしやすい種目なのでテーピングの実践はとても勉強になりました」と振り返りました。講座をサポートした大学院体育学研究科博士課程の小島大知さんは、「私たちも学びの過程にある内容を、中高生に向けて伝える難しさを実感しました。その一方で、講師の先生方が分かりやすく簡潔に解説していて勉強になりました」と話していました。

