物理学科の遠藤教授の共著論文が国際学術誌「Optics Express」の「Editors’ Pick(編集部注目論文)」に選出されました

理学部物理学科の遠藤雅守教授が共著した論文『Axially pumped diode-pumped alkali amplifier with high extraction efficiency(高エネルギー出力効率を有する軸方向励起型ダイオード励起アルカリ増幅器)』が、光学・フォトニクス分野の国際学術誌「Optics Express」の「Editors’ Picks(編集部注目論文)」に選出されました。アメリカの光学分野の学会発行の高い引用数を誇る学術誌であり、「Editors’ Picks」は編集者が 「その分野で興味深く重要な成果を扱っている」または「論文の執筆・提示の質が特に高い」と判断した論文です。

遠藤教授は、半導体レーザーを用いてアルカリ金属原子を励起し、レーザー光を発生させる「ダイオード励起アルカリレーザー(DPAL)」を日本で唯一研究しています。高効率で高出力のレーザーにつながる技術として、その物理現象や増幅の仕組みについて研究を進めてきました。通常のレーザーは、2枚の鏡の間で光を何度も往復させながら増幅し、レーザー光として取り出しますが、今回の研究では、「シード(種光)」を1回だけ通過させて増幅する「片道増幅」に着目しました。それによって、高い出力と高品質なビームという両立が困難な課題を解決しています。レーザー光とアルカリ金属原子との相互作用などを物理学的な理論に基づいてモデル化し、片道1回の増幅でも、光を何度も往復させる方式に匹敵する高い取り出し効率が得られることを示しました。遠藤教授は、「片道増幅で高効率の出力を可能にした新規性と、計算モデルの独自性などを評価していただきました。2021年にも取材を受けましたが、今回とは異なるテーマでしたので、独立したテーマで成果を残せたことは自信につながります。将来的には、宇宙空間にあるデブリ(宇宙ごみ)への対応をはじめ、レーザーの特性を生かしたさまざまな分野への応用を目指しています」と話しています。