大学院理学研究科修了生の論文がアメリカ化学会の学術誌に採択されました

大学院理学研究科を今年3月に修了した岩田悠希さん(指導教員=先進生命科学研究所・荒井堅太准教授)が筆頭著者を務めた論文が、アメリカ化学会の学術誌『Biomacromolecules』に採択され、オンライン版に9月30日付で公開されました。同誌にはタンパク質、多糖類、核酸などの生体高分子や、それらを利用した新しい材料・技術に関する研究論文が掲載されており、論文引用数を示すインパクトファクターは5.9と高い評価を誇る生体高分子分野の専門誌です。また、採択された研究の関連図が同誌の「Supplementary Cover」(補足表紙)にも採用されました。

岩田さんの論文『From Folding Reagents to Catalysts: Spatially Organized Diselenide−Cyclodextrins Enable Catalytic Oxidative Protein Folding』では、タンパク質が特定の立体構造に折り畳まれる過程を、正確に促進できる新たな触媒の開発についてまとめています。アミノ酸が鎖のようにつながってできるタンパク質は、特定の立体構造を形成する「フォールディング」が正しく行われることで本来の働きを発揮しますが、失敗するとアルツハイマー病などの疾患につながってしまいます。こうした課題を解決するために岩田さんは、体内でフォールディングを促進する酵素の働きを模倣する人工化合物の合成に挑戦。開発から応用までの過程をまとめた論文が今回評価されました。採択を受けて、「これまで取り組んできた研究が、多くの方のご尽力により論文として形になったことを大変うれしく思います。研究を進める中で検討を重ねた経験は、自身の成長につながる貴重な経験となりました」と話しています。

本研究では、同研究科2年次生の岩本駿平さんと1年次生の武田浩暉さんも参加し、フォールディングの効率化や生化学系の機能評価をサポート。「岩田さんから教わった実験技術や研究推進のノウハウを、今後の研究にも生かしていきたい」と話していました。

本論文はこちらからご覧いただけます。