理学部数学科では、中学校・高校の数学教員を目指す学生へのサポートに力を入れています。1年次生対象には、本学科を卒業した現役の中高教員による講演会を開き、教職へのイメージを養ってもらうほか、「中高生にわかりやすい授業をするためには大学レベルの数学をきちんと理解する必要がある」との考えから、1、2年次生向けの専門科目をすべて履修するよう指導。3年次生を対象に開講している「数学科教育法2」では学生が教員役を務める模擬授業を数多く行うほか、ウインターセッションでも「数学科教育法特論」を開講し、現役教員と本学科の教員の指導を受けながらより高いレベルの実践力を身につけられるよう指導しています。
11月22日には「数学科教育法2」の授業で学生たちが行ってきた模擬授業の中から、特に良い事例について代表の学生が受講生全員の前でプレゼンテーションを実施。同科目担当の笹木集夢准教授らが、授業のよい点や改善点についてコメントしました。
学生たちも授業を積極的に活用しながら、各地の小学校などでのボランティア活動に参加するなどして実践力を磨いています。学生たちは、「他大学の友人に聞いても、毎週模擬授業をやる大学は少なく、その点で恵まれていると感じます。数学科の開講科目以外でも先輩教員の話を聞ける機会もあり、先輩の体験談を参考に自分の方法を改善できるのもよいと感じています」(島野蒼夏さん・3年次生)、「理学部のある18号館には黒板や電子黒板などの設備が整っており、学生同士で自主的に勉強する場所があるのがよいと感じています。また、わからない点があればすぐに先生に聞きに行ける雰囲気があるので、スムーズに自分の力を伸ばせています」(菊永育美さん・同)、「ボランティアをしながら学ぶ中で、学科の先生が教えてくれたことの意義を実感しています。指導経験が豊富で熱意ある先生方の指導を受けながら、体育学部など他学部の学生とも意見交換できるのが東海大のメリットだと感じています」(北朋子さん・同)、「教育実習を経て、数学の本質を理解していないと、この分野の面白さをわかりやすく伝えられないこと思います。この学科では、数学を基礎からしっかり学べるだけでなく、模擬授業を通して効果的な授業法をきちんと身につけられるのもメリットだと感じています」(上田未来さん・4年次生)と話しています。
笹木准教授は、「よい数学教員になるためには、数学の本質を理解しておく必要があるとの考えに基づき、数学科教育法の授業でも教え方だけでなく数学に対する正しい理解を促す授業になるよう、必要に応じで大学で学んだことを取り上げながら指導しています。また、板書の仕方をより実践的に学ぶツールとして、黒板や電子黒板、ホワイトボードなどを多く用意しているのも特徴です。私自身、中学校と高校で6年間教壇に立った経験がありますが、やはり数学科で専門的な数学を学んだ卒業生は、よりよい数学教員になれるという実感があります。今後も一人でも多くの子どもたちに数学の面白さを伝えられる教員を育てていきたい」と語っています。