観光学部の山口有実子教授が「2023年度ティーチング・アワード」の優秀賞に選ばれ、4月1日に湘南キャンパスで行われた授賞式で松前義昭学長から賞状と目録が授与されました。本学では教育の質向上を目指し、2002年度から優れた授業を行う教員らを「ティーチング・アワード」として顕彰しています。学生による授業アンケートなどの結果に基づき、学長室を中心とした厳正な審査を経て学長により決定されるもので、2023年度は5名に優秀賞を授与しました。
山口教授の専門は、第二言語・外国語習得の仕組みについての研究で、異文化体験、学習環境、母語などが第二言語・外国語習得に及ぼす影響を調査し、学習者の特性に応じた英語教育や異文化コミュニケーション能力育成への応用を探っています。これまで、「英語(観光学)」「異文化コミュニケーション論」「メディア・イングリッシュ」「映画で学ぶ英語と文化」など、英語で進める授業を担当。昨年度から日本語での講義科目「異文化コミュニケーション入門」も担当し、履修者100名を超えるクラスでもアクティブラーニングを取り入れています。
23年度春学期に開講した「異文化コミュニケーション入門」は、受講した政治経済・国際・経営・情報通信の各学部の学生を分散させて少人数グループを組み、学生主体で授業運営するなど、日ごろ接する機会の少ない学生同士でコミュニケーション能力を磨くことに注力。また、スマートフォンもパソコンも使用禁止で、ディスカッションや他グループの発表なども手書きでメモをとるよう指示しています。「与えられた課題にグループで取り組み、交代でリーダーとなってクラス全体に意見を発表するほか、グループは数週間で入れ替えるなど緊張感あふれる厳しいものですが、学生たちからは“一方通行の授業ではなく、学生同士で意見交換するのがとても楽しい、このような講義を受けたいと思っていました”との感想が多く聞かれました」と振り返ります。「アクティブラーニングを取り入れた授業を履修者の多い講義科目でも実現できたことは自信になりました。これからもコミュニケーションが苦手な学生でも参加しやすい環境をつくり、個々の学生の力を最大限引き出せるような工夫を続けていきます」と話しています。