観光学部の佐藤雅明准教授の研究室で学ぶ4年次生3名が6月27日に、大阪・関西万博会場内に期間限定で設置された栃木県パビリオンに協力。同県壬生町の子どもたちが遠隔操作で自らの「分身」となる最新型ロボット「newme」を通して会場の様子を体験するイベントで、会場を案内するナビゲーターを務めました。

このイベントは、ANAホールディングス発のスタートアップ企業・アバターイン株式会社とNECネッツエスアイ株式会社、佐藤研究室が企画したもの。佐藤准教授はアバターイン社ら共にと、遠隔操作でき、自身の体と同じように感覚を共有できる「サイバネティック・アバター」の研究を進めています。今回は、ロボットを通して子どもたちに万博の雰囲気と会場の臨場感を体験してもらおうと、観光学を学ぶ有田早希さんと最上真凪さん、堤真心さんがロボットのナビゲーターとして参加しました。事前学習で栃木県の概要や観光資源、万博での展示物などについて理解を進めるとともに、前日から会場入りして主な見どころやロボットの動線などを確認して臨みました。
当日は、壬生町の小・中学校の生徒がロボットを遠隔操作して会場を見学しました。このうち壬生小学校では5年生と6年生の約20名がパソコンでカメラやマイクを備えた会場のロボットを動かし、東海大学の学生3名がナビゲートする形で栃木県特産のアユを竹細工で表現したオブジェや、訪れた人たちが同県の食を楽しむ様子を見学しました。



有田さんは、「ひとつのプロジェクトを成功させるために、企業や県の担当者など多くの人たちの協力があるのだと実感しました。この経験を今後に生かしたい」とコメント。最上さんは、「私たちより栃木県のことをよく知っている子どもたちに、いかに新鮮に興味を持って見学してもらえるか考えました。準備だけではなく当日の子どもたちとのやり取りも含め、とても勉強になりました」と振り返りました。堤さんは、「あらかじめシナリオなどを考えましたが、当日は会場がとても混雑したため、当初の予定通りにロボットを動かすことが難しく、状況に応じてアドリブで乗り切るなど貴重な経験ができました」と話しました。



佐藤准教授は、「サイバネティック・アバターが普及すれば、誰もが体の制約を超えて旅を楽しめるようになり、未来の観光のあり方が大きく変わります。その楽しさを享受するためにはロボットと共存する経験を積み、学ばなければなりません。今回の試みは、学生たちにとっても、遠く離れた栃木県から会場を見学した子どもたちにとっても、未来の観光体験に向けた大きな一歩になったと思います」と話しています。