観光学科の小澤准教授が執筆者を務めた『「おもてなし」を考える―余暇学と観光学による多面的検討―』が刊行されました

観光学部観光学科の小澤考人准教授が執筆者の一人として携わった、『「おもてなし」を考える―余暇学と観光学による多面的検討―』(余暇ツーリズム学会編、創文企画刊)が、3月30日に刊行されました。同書は、近年インバウンド観光の増加に象徴される観光立国に向けた動きの高まりとともに、2103年9月に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定したことに伴い、「おもてなし」が一種のスローガンや社会的課題となった点を背景に企画されました。余暇およびツーリズムに関連する業務に携わる社会人や将来それらの業務への就職を希望する学生をとって「おもてなし」を考える際のガイドブックとなる内容で、さらにこの分野の研究者にとっても示唆のある内容を提供するものです。

文化社会学や観光社会学、ホスピタリティ産業論、メガイベント論が専門の小澤准教授は、第12章「おもてなしのイベント論」を担当。近代オリンピックの変容と現代イベント論の意義を論じました。小澤准教授は、「もともと本書の企画の発端は私もかかわった2012年の『余暇学会』と『ツーリズム学会』が統合し、余暇ツーリズム学会が発足したことにさかのぼります。そこで、余暇とレジャーを切り口に日本文化を考える視点と、ツーリズムを経営的観点からとらえる視点との接点からホスピタリティとかかわりの深い『おもてなし』を共通項に計15名の研究者が多角的に考察し、開設を提示するテキストを生み出しました。『おもてなし』はすでに日常用語となっていますが、本書では社会論や歴史文化論、地域マーケティング、経営、会計、スポーツ、心理と多様な視点で広がり、読者に“なるほど”と感じてもらえる内容となっていることを期待しています。個々の興味や関心に応じて『おもてなし』が学術・実践の両面で触発的な問題提起になり得ると感じています」と話しています。

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