代々木キャンパスで7月19日に、神奈川県のアンテナショップ「かながわ屋」のプロモーション案の企画案採択会が開かれました。県内で生産された新鮮な野菜や人気の銘菓などの特産品が350種類以上販売されている「かながわ屋」が、そごう横浜店に開設されて1周年を迎えることを機に、観光業と絡めた新たなプロモーション案を企画しようと神奈川県国際文化観光局観光企画課から観光学部が依頼を受けた取り組みです。地域連携、観光振興に資するとともに、「学生が自ら手を挙げ、考え、調べ、形にし、成果を確認する」ということは観光学部の教育方針に適うことから、 委託事業として実施。9月以降に予定されている店頭での企画実現を目指して、本学部2年次生以上の学生による22件の個人・グループが参加し、学内審査を通過した10件の提案が採択会で発表されました。
当日は、神奈川県観光協会やそごう横浜店など「かながわ屋」の運営関係者らが審査員として参加。開催にあたり、神奈川県国際文化観光局の河合宏一局長があいさつし、「アンテナショップは本来県外に出店して地域の特産品を販売するものですが、『かながわ屋』は、まず県内の人たちに地元の魅力を知ってもらうことを目的に、あえて横浜に出店しています。今後は、新鮮な野菜や銘菓をきっかけに、それらが作られている現地にも行ってみようと思ってもらえるよう観光への訴求もしたいと考え、東海大学観光学部に協力を依頼しました。学生の皆さんには、県の職員になったつもりで提案してもらえたらと思います」と語りました。続いて発表に移り、学生たちは資料を示しながら、「かながわ屋」の実地調査で見えた課題や企画のターゲット層、売り場の展開方法、SNSを用いた情報発信といったプランを紹介。かつて東海道にあった9つの宿場の特産品の販売、働く女性をターゲットに神奈川県産の米と総菜のセット売り、県内を走る鉄道と各地域の名産品のコラボレーション商品、ふるさと納税の返礼品と制度の紹介ブース展開など、それぞれのグループが多様な企画を提案しました。
当初は3つの案が選ばれる予定でしたが、審査の結果、2つの案を合同にした2チームを含む、5つの案が採択されました。県内の製菓工場と連携したアウトレット品の販売など、”ここでしか買えない”貴重さをテーマにした案「『かながわ屋』を『〇〇直売所』へ」が採択された森田浩一さんは、「審査していただいたそごうの担当者の方から、ビジネス視点の意見をいただき勉強になりました。ほかの組との合同採択なので、それぞれのいいところを消さないよう企画をまとめたい」とコメント。「SNSにおける動画コンテンツの配信」が採択されたグループは、遠藤晃弘講師のゼミ生5名が日ごろの地域連携活動の経験を踏まえてPR動画の作成を提案しました。代表の秋山洋人さんは、「以前、キャンパスがある渋谷区のPR動画を作成したことがあるので、経験を生かして神奈川の魅力を発信したい」と意気込んでいます。また、神奈川県二宮市出身の二宮明日香さんは、地元である県西地域の魅力発信をテーマにした「新たなお酒の友発見フェア!」を考案。「これから実現に向けて企画をブラッシュアップしていく中で、社会人の方から学ばせていただくことがたくさんあると思います。皆さんと協力して、地元神奈川県の魅力をPRしていけたら」と語りました。また、惜しくも企画採択はならなかったものの、「アイデア特別賞」も1組選ばれています。
学生の指導にあたった橋本佳典教授は、「多くの個人やグループが自主的に提案に参画してくれたことは、必ず学生の糧となります。また、観光学部の学生にとって 販売促進といった分野に精通はしていないものの、神奈川の 物産や観光を盛り上げようと、それぞれの視点から魅力的な提案をしてくれました。これらのアイデアをいかに具現化していくかが次の課題。企業や自治体の皆さんからいただいた社会人目線のアドバイスを生かし、連携をとって進めていければ」と話しています。
【採択結果】※発表順、①と③は合同採択
①「『かながわの街道フェア』でかながわ屋を元気に!」(檜垣悠介さん)
「『かながわ屋』を『〇〇直売所』へ」(森田浩一さん)
②「SNSにおける動画コンテンツの発信」(秋山洋人さん、西村湖春さん、長田宏介さん、清水美里さん、白賛浚さん)
③「かながわには心を癒す美味しいがある!!」(金尾星花さん)
「新たなお酒の友発見フェア!」(二宮明日香さん)
【アイデア特別賞】
「レールでつなぐかながわ県」(長澤永知さん、齋藤清之輔さん、鈴木勇那さん)