観光学部初代学部長を務めた松本亮三教授の最終講義を行いました

観光学部観光学科の松本亮三教授が3月23日に代々木キャンパス4号館講堂で、定年退職に伴う最終講義を行いました。松本教授は「自然と文明―人類学、観光学、そして文明学―」をテーマに講演。本学部の教職員・学生・卒業生・研究者ら約100名が聴講しました。

文化人類学や民俗学、文明学が専門の松本教授は、東京大学助手を経て本学文明研究所に着任。文学部文明学科やアメリカ文明学科(当時)で教鞭を取りつつ、専門のアメリカ先史学研究ではペルー・マチュピチュ遺跡やヤンガヌーコ遺跡などアンデス文明に関する発掘調査に長年にわたって取り組んできました。また、本学学長室長や図書館長など要職も歴任。09年度には観光学部設置準備室長として翌10年度に開設される本学部の立ち上げに携わり、学部がスタートすると同時に初代学部長に就任。学生の教育や研究の充実に向けて活動を続けてきました。在任中には川崎産業観光振興協議会会長なども務め、地域社会の観光振興にも貢献してきました。

松本教授は講演で、これまで取り組んできた研究や学内外での諸活動について紹介しながら、生態系保存に関する考察を披露し、人間社会の発展と環境破壊の問題について「これらの問題を人間と自然の対立ととらえてはいけません。人間社会や人間という存在が、樹木や気象といったいわゆる自然と区別がないものであると考える民族は世界中に多数存在しています。地球生態系を保全していくためには、自然と文化、文明を一体のものとして保全することが必要。文化・文明は自然と分離して考えることはできません。人類も文化も文明も、生物や物理的環境とともに、生態系の一部であるという認識が大切です」と指摘しました。

終了後には退職記念パーティーも開催。多くの教え子や研究者、本学部の教員らが駆け付け、松本教授を囲んで思い出を語り合う姿が見られました。

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