観光学科の田中教授が『森林学の百科事典』に執筆しました

観光学部観光学科の田中伸彦教授が、1月30日に発行された『森林学の百科事典』(発行=丸善出版)に執筆しました。同書は、植物や動物などの生態系から林業、里山、災害まで森林学を一望できる事典で、樹木や菌・動物などとの相互作用、生態系としての森林、林業・工芸品・里山・レジャーなどにおける管理・利用面、獣害・害虫・気候変動の影響などを紹介するとともに、常に手を入れられてその多様性を保ってきた森林の歴史的な側面も解説されています。

「森林を学ぶ」や「森林の分布と構造」「生物多様性」「森林と災害」など16章のうち、田中教授は第14章「森林を楽しむ」の「森林を楽しむ活動」の項目を担当しました。日本人の森林観光レクリエーション活動には、欧米人とは異なる多層性があることを、自然を楽しむ活動の歴史的変遷や、アクティビティの多様化の推移から解説。江戸時代から山岳講や湯治などを通じて伝統的に行われてきた「風景鑑賞・温泉などを目的とした団体旅行」、明治期に欧米からもたらされた登山やキャンプ、スキーなどの「野外レクリエーション」、1980年代頃から発展した「自然体験型観光」について、その歴史やあり方について説明しました。また、観光立国推進施策における森林観光レクリエーションの重要性や、森林を楽しむ活動にあわせた森林管理技術の高度化の必要性などについても執筆。最後に「森林管理者は、日本人の観光レクリエーションの多層性や、観光立国推進施策を念頭に置きながら、森林を楽しむ活動にあわせた森林管理を適正に行っていく必要がある」と提言しました。