大学院生がスーパーカミオカンデでの実験に参加しています

理学部物理学科の西嶋恭司教授の研究室に所属する伊藤恭平さん(大学院理学研究科1年次生)が、岐阜県飛騨市にある東京大学宇宙線研究所の観測装置「スーパーカミオカンデ」での実験に参加しています。

スーパーカミオカンデ共同実験グループでは、元東海大学理学部の小柴昌俊教授らによって素粒子「ニュートリノ」を観測。1998年にニュートリノに質量があることを発表し、その研究を率いた東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章教授が今年10月、ノーベル物理学賞の受賞者に決まるなど世界的な注目を集めています。伊藤さんは西嶋教授の指導のもと今年4月から、8カ国の40大学・研究機関からの研究者ら約130名を擁する同実験グループに参加。月に1回以上スーパーカミオカンデに足を運び、ニュートリノなどの素粒子を検知する際の感度を上げる方法について研究を進めています。

伊藤さんは、「以前からニュートリノに興味があり、西嶋先生も関わっていらっしゃるスーパーカミオカンデ実験に参加しました。国内外から優れた研究者が集まる場で新しい知識をどんどん取り入れることができ、わからない内容を積極的に聞くといった研究への姿勢も学べました。またグループでは海外の方と話す機会も多く、英語力も少しずつ高まってきていると実感しています。2016年3月には日本物理学会でこれまでの取り組みを発表する予定ですので、それまでに研究内容をより充実させていきたいです」と話しました。

西嶋教授は、「1990年から小柴先生のもとで、スーパーカミオカンデの前身・カミオカンデの頃から、太陽のフレアや銀河から発せられたニュートリノの検出を試みるなど、多様な実験に取り組んできました。ニュートリノを理解することは、宇宙の成り立ちを探る上で重要であり、究極的には宇宙の進化の歴史をたどることにつながります。今も伊藤さんがこうして研究に取り組んでくれているのは、とても頼もしいこと。これからもその活動を、力の限りサポートしていきます」と語りました。

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