関東冶金工業の髙橋愼一社長による特別講義を行いました

工学部材料科学科では12月5日と12日に湘南キャンパスで、関東冶金工業株式会社(KYK)の社長である髙橋愼一氏による特別講義を実施しました。さまざまな材料に関する基礎知識を学ぶ2年次生対象の授業「複合材料学」の時間を利用して行ったもので、本学科を中心に工学部の学生約80名が出席しました。

髙橋氏は、工業用熱処理炉の設計・製作を行うKYKの特色や技術開発、業界の現状などを紹介。KYKが取り扱っている最先端工業用熱処理炉で生産される炭素繊維業界を具体例に取り上げて講義しました。髙橋氏は炭素繊維が宇宙・航空業界などで幅広く使われるようになるまでの技術開発の課程や世界情勢、国際分業の事例などについて説明しながら、「製品を売るためには、よい原料から性能の高いものをつくり、適正な価格を設定できるかがカギとなります」と強調しました。

さらに、膨大な時間と労力を要するものづくりの事例のほか、競争の激化による技術革新の恩恵などについても補足。「常に情報データを読み解き、いま何をすべきかを考えて次の課題を見据えなくてはなりません」と語り、「皆さんも社会に出ると次の商品や技術を考える時期が必ずきます。価値のあるものをつくる際に、私の話が参考になれば幸いです」とアドバイスしました。

学生たちからは「世界20ヶ国以上で熱処理炉を販売している方のお話は、迫力があり刺激的でした。授業では具体的にイメージできない価格についても、世界情勢なども含めて現実的に理解できました」「炭素繊維に興味があるので大変参考になりました。航空業界などにインターンシップに行って、どのように使われているのかもっと知りたいと思います」「具体的な事例を深く説明していただいたので、類似したものにも応用していけると考えられるようになりました。まだ研究の方向は決まっていませんが、世の中で役立つものをつくりたいと意欲が沸いてきました」といった感想が聞かれました。