海洋学部が国立歴史民俗博物館と学術交流・協力に関する協定を締結しました

海洋学部では9月1日付けで、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)と学術交流・協力における協定を締結しました。本協定は、両機関の研究・教育活動全般における学術交流・協力を促進し、相互の研究・教育のいっそうの進展と地域社会および国内外の発展に資することを目的としたものです。環境社会学科の石川智士教授が人間文化研究機構基幹研究プロジェクトのメンバーとして、歴史学や史学を実社会で活用する方法について研究しており、国立歴史民俗博物館を拠点に実施している「古代の百科全書『延喜式』の多分野協働研究」にも取り組んでいることから実現しました。

石川教授は、「平安時代の法令集である『延喜式』には水産関係の記述が多いことから、本学部の海洋・水産に関する知見と、同館の歴史を融合した共同研究を行うことを目的に今回の協定を締結しました。私の研究テーマの一つが『新しい研究分野の創出』であるため、学内で新たな研究分野の開拓もきっかけの一つです。一流の研究者とかかわることは学生への教育効果も高いので、今回の協定を機に、関係各所や民間との連携を進め、地域・産業振興につながる活動を展開していければと」と語っています。

また、今回の協定では、本学の総合研究機構2019年度プロジェクト研究の「商品開発助成」に採択されている「塩カツオDE塩分チャージ」(研究代表:清水宗茂准教授=海洋学部水産学科食品科学専攻)も研究テーマの一環となっています。熱中症対策に有効な「塩カツオ」を使った飴の「塩カツオDE塩分チャージ」は、静岡県の茶飴製造企業などと連携して試作を重ね、今年8月に東京ビックサイトで開催された「第21回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(主催:一般社団法人大日本水産会)の海洋学部ブースでは、水産学科食品科学専攻4年次生の川本大智さんと海洋文明学科1年次生の永野ひよりさんが試食品の配布とアンケート収集を行いました。現在は改良を重ね、一般販売を目指しています。川本さんは、10月20日に山形県鶴岡市で開かれた和食文化学会第2回研究大会のポスターセッションで本研究について報告しました。同研究のプロジェクトメンバーである石川教授は、「『延喜式』では税の一種とされていたカツオですが、記載されている奉納の時期はカツオの旬とずれていることから、保存食でもあるカツオの塩漬けが用いられていたのではないかという説があります。これを地域の特産品として産学連携で商品化しようと、現在開発を進めています。地元の食材を使い、その地域の歴史にかかわりを持たせると特産品として根付きやすい。今回の商品開発は歴史を実社会に活用する一つの方法となるでしょう」と期待を寄せました。

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