海洋学部生と株式会社籠清が共同で開発した静岡の新グルメ「あかもく揚げ」を初披露しました

清水キャンパスで活動するスチューデントアチーブメントセンター・ユニークプロジェクトの「商品開発プロジェクト」が、老舗かまぼこ製造会社の株式会社籠清(小田原市)と共同で静岡県・駿河湾産の海藻「アカモク」を使った新商品「あかもく揚げ」を開発。11月27、28日にツインメッセ静岡で開催された「産業フェアしずおか2021」の特設ブース「水産(しずまえ)ゾーン」で販売し、プロジェクトメンバーが来場客に静岡の新グルメを販売しました。

プロジェクトメンバーが2019年の夏に「しずまえ振興協議会用宗地区部会」に参加した際に、アカモクが漁船のスクリュープロペラに絡まるトラブルが多発していることを知り、本学部の「食品製造学実習」を通じて交流のあった籠清の協力を得て商品化に着手。秋から冬にかけて生育するアカモクは、フコキサンテンと呼ばれるポリフェノールやミネラル、フコイダンなどの食物繊維を含む栄養価の高い海藻で、粘りやシャキシャキとした食感から東北地方などでは茹でて食べられていますが、全国的な認知度は低いのが現状です。そのため開発では、多くの人に食べてもらえるように風味のバランスや手に取りやすい見た目になるように試行錯誤を重ねました。トウモロコシや枝豆、ニンジンを添加して鮮やかな色に仕上げ、揚げ色をあえてつけないことで、アカモクの存在を強調するレシピを考案。約2年かけて完成させました。

産業フェアには同プロジェクトの副リーダーの小林愛冬さん(海洋学部水産学科食品科学専攻3年次生)ら関係学生や教員が参加。来場客に「あかもく揚げ」を紹介し、アカモクの商品利用への疑問にも丁寧に答えました。小林さんは、「アカモクは栄養価が高いだけでなく、便通改善や抗酸化作用など健康機能性が期待できるスーパーフードなので、健康志向が高い40代以降の世代をターゲットにしました。アカモクの香りや食感も存分に生かし、一口で食べられるサイズなのでお弁当のおかずやおつまみとしても食べていただけると思います。静岡は水産が有名ですが魚や貝類に注目がいきがちなので、アカモクをはじめ海藻への注目も高まってほしい」と話しました。

籠清静岡工場商品開発室の栄花一展氏は、「海洋学部の卒業生(1995年度卒)として母校の学生のために何かできればという思いで協力しました。学生たちの理想とするレシピを実現するため、アカモクの含有量やサイズの変更といった改良を繰り返してきました。長い時間をかけて学生たちと切磋琢磨し、コンセプトに沿った商品ができたと思います」と振り返りました。指導する水産学科食品科学専攻の清水宗茂准教授は、「学生の皆さんには商品を開発する楽しさだけでなく、さまざまな課題に向き合い解決する貴重な経験を通じて、社会に出ても通用する力を身につけてくれたと思います。お客さまだけでなく、出展している水産業者などにもアカモクの存在を認知してもらうことで、今後の販売・利用についてプレゼンしていきたい」と話していました。

なお、期間中は商品開発プロジェクトが開発中の「かつお節アイス」の試食も実施し、味やサイズ感などに関するアンケート調査を行いました。