大学院工学研究科の加々美昌樹さんが「第13回トライボロジー秋の学校in愛知」でポスター発表賞を受賞しました

大学院工学研究科1年次生の加々美昌樹さんが10月30、31日に愛知県知多郡東浦町の「あいち健康プラザ」で開催された「第13回トライボロジー秋の学校in愛知」でポスター発表賞を受賞しました。摩擦に関する学問領域であるトライボロジーの若手研究者が一堂に会して議論と知見を深め、研究成果を発表して企業・専門家らとの交流を目的とするものです。

加々美さんは工学部の落合成行教授、畔津昭彦客員教授らのもとで、内燃機関の効率化を図る摩擦抵抗軽減の研究に取り組んでいます。発表は、潤滑油を利用して摩擦を制御するジャーナル軸受に関して、機械内部の油の流れを可視化する「フォトクロミズム」によって「マイクロバブル」と呼ばれる小さな気泡が潤滑油に含まれた際の影響を解明する研究と実験についてまとめたもの。マイクロバブルが潤滑油の流れをコントロールし、機械内部の摩擦損失を低減するメカニズムを分かりやすく解説した点が評価されました。

「マイクロバブルをどの程度の大きさにするか、どのように油を着色すればよりフォトクロミズムによる可視化が分かりやすくなるかなど、後輩たちと相談しながら試行錯誤を重ね、研究と実験に取り組んでいます」と加々美さん。発表にあたり、落合教授や畔津客員教授、同期や後輩たちを前に何度も練習を重ねたと振り返ります。「東海大の研究成果を多くの人に周知できてうれしい。発表を聞いたさまざまな企業や研究者から内容や可能性について質問が寄せられ、関心の高さを実感しました。先輩たちの実績があってこその評価だと思うので、自分も実機と同じ条件下での実験をあらゆる方向から可視化できるような仕組みを構築するなどさらに実績を重ねたい。将来は、研究室で培った経験と知識を自動車産業で生かせられれば」と話しています。