大手照明メーカーで技術、スタッフ管理職を務める川島淨子さんがこのほど、大学院総合理工学研究科(博士課程)を早期修了し、博士(理学)を授与されました。川島さんは社会人学生として入学し、本務と大学院における学びを両立させながら、「色の知覚および認知メカニズムに関する研究」というタイトルで100ページを超える博士論文をまとめるとともに審査に合格し、このたび博士号を授与されました。
川島氏はこれまでLED照明の材料応用開発や企業における環境保全に関する取り組みを主として担当してきました。一方でヒトの認知機能や美術への関心も高く、色に関する視覚性短期記憶のメカニズムの解明に向けた研究を行うため、2018年11月に情報理工学部情報科学科の高雄元晴教授の研究室に客員研究員として参加し、研究を行ってきました。その後、2022年4月に同研究科に進学し、通常3年必要な博士課程の在学期間を1年半に短縮し、2023年9月に修了しました。
川島さんは「企業での開発と大学での研究はあまりにも異なり、戸惑う事が多い中、指導教員の高雄教授は丁寧、かつ常に前向きにさまざまなことを教え、体験させてくださいました。厳格な論文審査、学位審査の過程で多大なご支援、温かい言葉をくださいました高雄教授、審査員の先生方、研究科長、研究科の関係者の皆さまには、一言では言い表せないくらい感謝しています。この貴重な体験は、私の人生に彩りをくれました。共に研究をした学生の方々、学位への挑戦を理解してくれた会社、家族にも、お礼申し上げます。研究の恩は研究で返すと教えてくださっている高雄教授のもとで、これからも東海大学の学位に恥じない研究を、東海大学で学生の方々と進めていきたいと考えています。ありがとうございました。」と語っています。
また、研究を指導した高雄教授は、「社会に出たからこそ、学生時代には分からなかった学びの大切さに気付き、自らの学問的興味が明確になることもあるかと思います。大学院博士課程はこれから研究者を目指す若い学生のみならず、実務や経験を積んだ社会人の方々にも門戸が開かれています。働きながら大学で研究し博士の学位を得ることは決して易しいことではありませんが、希望される方はまず興味のある研究を行っている教員にコンタクトをとり、相談してください」と話しています。