大学院総合理工学研究科の柏原さんと砂見准教授の内容がBest Paper Awardを受賞しました

大学院総合理工学研究科総合理工学専攻の柏原侑輝さん(機械・航空宇宙コース、指導教員=砂見雄太准教授)と砂見准教授の内容が、2月23、24日にオンラインで開催されたマレーシア・サラワク大学(UNIMAS)主催第14回国際エンジニアリング会議(The 14th International UNIMAS Engineering Conference 2022)の機械・製造工学部門で『Best Paper Award』を受賞しました。世界各国の研究者や大学院生、学生らが参加する同会議は、最新の研究成果の発表を通して知識や情報の共有や、分野を横断したネットワーク機会の創出などが目的で、同賞は4部門で各1名ずつに贈られました。

砂見准教授の研究室に所属する柏原さんは、マグネシウムとレアアースを混合し、耐熱性を高めた合金(Mg-RE合金)の加工技術について、旭東ダイカスト株式会社との共同研究に取り組んできました。この合金は、従来のマグネシウム合金に比べて軽量で鋳造しやすく、熱を発生しにくい特性を持つため、電気自動車の材料などとして期待されています。マグネシウム製自動車部品は、溶かした非鉄金属の合金を精密な金型に高速・高圧で注入し、瞬時に製品を成形する鋳造技術「ダイカスト」によって生産します。今回の論文では、金型に射出する速度を速め、金属の温度も上げることで、強度の高い合金を成形できることを報告。鋳物試料に対し、X線CT内部計測、引張試験、凝固組織観察を行い、材料特性の発現要因を検討した成果もまとめました。

柏原さんは、「多くの研究者が参加する国際会議で認められ、非常にうれしく思います。ダイカストによって生産したMg-RE合金は軽くて強度も高く、自動車の部品として使用できれば燃費向上にもつながります。製品化によって環境に配慮した電気自動車の普及も加速されるのではないかと期待しています。より効率のよい生産方法を学術的に確立できるよう、これからも研究を続けていきます」と話しています。