海洋学部の佐藤准教授が高校生を対象にした海洋DXセミナーで講演しました

海洋学部水産学科の佐藤成祥准教授が9月20日に、静岡理工科大学静岡駅前キャンパスで高校生を対象にした海洋DXセミナー「知るチカラが未来を変える:データサイエンスと海の探求」で講演しました。本セミナーは、静岡キャンパスが参画する「駿河湾・海洋DXプロジェクト教育タスクフォース」が主催し、静岡県と静岡市が共同で推進する内閣府の地方大学・地域産業創生交付金事業「駿河湾・海洋DX先端拠点化計画」の取り組みとして実施されました。同計画の柱の一つに「大学改革」が掲げられており、静岡キャンパスは静岡理工科大や静岡大学が設置した「マリンインフォマティクス研究機構」に連携機関として参画しています。

当日は県内の高校生10名が参加しました。佐藤准教授は「海を知る~海洋動物にまつわるデータ」をテーマに講演し、まず自身の専門である行動生態学について説明しました。「生き物の行動の究極要因に迫る学問で、なぜ進化したのか、その進化にどのようなメリットがあるのかを解き明かしています」と話しました。さらに研究対象のイカやタコを例に挙げ、「イカとタコは貝から進化したとされ、貝殻を失う代わりに遊泳力を獲得しました。頭から足が生えた頭足類に分類され、3つの心臓と閉鎖式循環系を持ち、吸盤と触腕があるのも特徴です。遊泳力を手にしたことで身を守る能力は弱まりましたが、墨吐きや体色変化で天敵から逃れます」と紹介しました。

続いて世界最小の頭足類「ヒメイカ」について、「1円玉ほどの大きさで日本各地の沿岸に生息しています。長い口でエビを食べ、寿命は3~7カ月です」と解説しました。その後、高校生にヒメイカの雌雄の交接時間や体重、保有精子塊数などのデータを配布し、それぞれのパソコンでグラフ化に挑戦してもらいました。最後に佐藤准教授は「さまざまな生物の生態をデータ化することで新たに見えてくる特徴があります。これからも生物を観察するだけでなく、データの蓄積にもチャレンジしてほしい」と呼びかけました。