海洋生物科学科の本間准教授の研究室が付属札幌高校科学部の実験研究に協力しました

生物学部海洋生物科学科の本間智寛准教授の研究室が12月4日に、札幌キャンパスに隣接する付属札幌高校科学部の実験研究に協力しました。本間准教授が部長教員を務める本キャンパスの学生サークル「水族生物展示研究同好会」ではこれまでも科学部の活動に協力しており、昨年11月には同好会のメンバーが科学部の研修に同行し、生物採取について指導するなど交流を重ねてきました。

科学部では今年度、北海道に本来は生息しておらず、人為的に持ち込まれたり、自然に移動してきたりして在来の生態系を脅かす「道外外来種」の一種であるアズマヒキガエルについて研究しています。特に、アズマヒキガエルの毒が在来種であるエゾアカガエルのオタマジャクシに与える影響が深刻であることから、今回はアズマヒキガエルの体の各所から採取した毒について調べるため、サワガニに対する毒性を指標にして、イソギンチャクやサンゴをはじめとしたさまざまな海洋生物がもつ新規毒の探索に取り組む本間准教授が協力しました。

当日は、科学部のメンバー4名がキャンパスに来訪し、本間研究室の学生6名と実験に取り組みました。アズマヒキガエルから採取した毒をサワガニに注射器で投入し、その後の反応を観察。学生たちは注射器の使い方やサワガニがどのような様子を見せるかといった効果について解説し、生徒たちは時間の経過ごとの反応の違いをメモに取り、観察しました。

翌5日にも大学のキャンパスを訪れ、サワガニの観察に取り組んだ1年生の王星皓さん、和田遼さん、松本奏多さんの3名は、「科学部ではほかにもさまざまな実験に取り組んでいますが、大学の実験室の機材は高校にはない高度なものばかりで、大学生の皆さんに教えていただきながらこれらを使用できてとてもうれしいです。また機会があれば大学での実験や研究に挑戦したい」と目を輝かせていました。

本間准教授は、「生徒たちはサワガニを使った実験は初めてだったこともあり、興味深そうな表情で、楽しく取り組んでくれていました。実験中には“なぜこの毒が効くのか”といった質問も積極的に学生たちに投げかけていて、学生にとっても貴重な学びの機会になったと感じています。本キャンパスと札幌高は渡り廊下でつながっているので、これからもどんどん交流を図り、科学や生物の魅力を伝えていければ」と話しています。