
大学院農学研究科1年次生の賀來真悠子さんが、昨年7月に発表された「令和7年度(2025年度)『阿蘇』世界文化遺産登録推進若手研究」に採択され、「阿蘇地域の半自然草地はあか牛に選ばれる草地なのか:採食場所と植生および栄養的検討」をテーマに研究しています。「阿蘇」の新たな学術的価値を見出し、国内外に発信することで世界文化遺産登録に向けたさらなる機運向上につなげようと、熊本県や阿蘇市などからなる「阿蘇世界文化遺産登録推進協議会」が主催しているもの。2月14日にはくまもと県民交流館パレアで成果報告会が開かれます。
賀來さんは阿蘇フィールドを週1回程度訪れ、あか牛を対象に3つの柱で研究に取り組んできました。1つ目は、所属する樫村敦准教授(農学部動物科学科)の「動物生理生態学研究室」で歴代の学生がGPSを使って採取したあか牛の行動データを分析し、牧草の種を播いて造成した人工草地と火入れや草刈り、放牧といった人為的活動で維持されている半自然草地のどちらを好んで採食しているかを調査。2つ目は、草地に四角い枠を設けてドローンで撮影し、枠内の草を刈り取って栄養分析することで、草地の栄養状態をドローンで解析する方法を模索しています。3つ目は1個数百円で購入できる「Raspberry Pi」を使って牛が採食しているデータを収集する安価な装置の開発に取り組んでいます。
山口県出身の賀來さんは、「動物のことを学びたい」と農学部動物科学科に入学し、3年次生の夏に研究室を決める際に「熊本ならではのあか牛について研究してみたい」と動物生理生態学研究室に入りました。「あか牛の目線で半自然草地の重要性を証明し、人工草地を増やすことなく半自然草地を維持することが、文化的景観や生物多様性の維持につながると感じています。ドローンを使った草地の栄養状態の把握や安価で行動を分析できる装置を開発できれば、阿蘇地域の畜産農家さんの手助けにも繋がります。どの研究もまだ課題はあるので、採択は終わりますがもう1年研究を続けてよりよい結果を求めていきたい」と話しています。


