湘南キャンパスの山田守建築群を対象とした「第36回BELCA賞」の第2次選考が行われました

湘南キャンパスで10月20日に、公益社団法人ロングライフビル推進協会が主催する建築賞「第36回BELCA賞」の第2次選考が行われました。同賞は、既存建築物の良好な維持保全と長寿命化の促進を目的に1991年に創設されました。「ロングライフ部門」と「ベストリフォーム部門」の2部門が設けられ、書類による第1次選考と現地審査の第2次選考を経て10件以内が表彰されます。本学は、建築家・山田守が設計した湘南キャンパスの建築群を「ロングライフ部門」に応募しており、当日は4名の選考委員が来校しました。

審査に先立ち、選考委員会の三井所清典委員長(芝浦工業大学名誉教授)が、優れた建築物を社会資産として維持していくことの重要性や、BELCA賞創設の理念について説明しました。続いて木村英樹学長が、本キャンパスの歴史や建築群への思いを紹介。建物の耐震化や設備更新、バリアフリー化などを進め、開設から約60年が経過した現在も教育研究施設として活用していることに触れ、「建物をできる限り長く使い続けることは、環境保全の観点からも重要」と述べました。また、富士山の美しい眺望や、キャンパス全体を一つの作品として構想した山田守の設計思想についても言及し、「建学100周年を迎える2042年を見据えて『湘南グランドデザイン』を策定し、山田守の理念を尊重しながら、新しい教育研究の環境整備を進めてまいります」と語りました。

続いて、⼤成建設株式会社の常務執行役員で設計本部⻑の松村正⼈氏が応募建築物の概要を説明しました。本キャンパスは、創立者・松前重義と山田守の構想に基づき、1963年にグランドデザインが計画され、66年に開設しました。特徴的なY字型の1号館や扇形の2号館、独創的な外観の3号館、大きく張り出した軒が印象的な4号館などが現存しており、これらの建築群は2008年に国際学術組織DOCOMOMOの日本支部が選定する「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選ばれています。説明では、各建物の意匠をできる限り維持しながら実施してきた耐震補強や改修の事例を紹介。3号館では、建物の外観を損なわないよう免震工事を実施し、4号館では、耐震性や省エネルギー性能を向上させるとともに、図書館機能を再編し、新たな学びの場「LIBRARIUM(ライブラリウム)」として整備したことなどを解説しました。また、大学と維持管理会社が連携し、長期修繕・保全計画に基づいて継続的に建築物を維持管理している体制や、山田守の没後60年にあたる今年、武道館と松前会館を新たに本学が指定する「永続保存建物」に加えたことも紹介しました。

その後は、建築史研究者の大宮司勝弘さん(本学連合大学院理工学研究科総合理工学専攻建築土木コース博士課程修了)の解説で、キャンパス内の建物を視察しました。審査会場では、設計図や模型、過去の写真と言った学園史資料センターによる展示も行い、審査員が熱心に見入る姿もありました。審査結果は12月中に発表される予定です。