日本アニメの世界進出をテーマにGlobal Citizenship Seminarを開催しました

東海大学グローバル推進本部では7月12日、Global Citizenship Seminarを湘南キャンパスのインターナショナルカフェで開催しました。今年度からスタートした本セミナーは、キャンパスの国際化を推進するために、さまざまな分野の専門家の方にお越しいただき全編英語で講演をいただいているものです。通算3回目となった今回は、「アニメ、漫画&映画で日本を語る! グローバニメーション」と題して、世界に進出した日本のアニメ、ジャパニメーションについて、ハワイ大学ウエストオアフ校(UHWO)のジェイソン・マコト・チャン准教授が講義しました。同校と本学は2015年1月に学術交流協定を締結しており、同年4月にハワイ東海インターナショナルカレッジと東海大学パシフィックセンターが同校のキャンパスビレッジ内に移転してHTICとUHWOの学生が日常的に交流するなど、幅広い分野で連携を深めています。UHWOの教員による講義もその一環として実現したもので、6月14日の第2回セミナーに同大学メディアセンターのクリス・リー所長が実施して以来2回目となります。

チャン准教授は冒頭、スクリーンに世界的な人気を博す「ハローキティ」を映し出し、「キティちゃんの出身地を知っている人?」と問い掛けました。聴講者からの「日本」という回答を受けて、チャン准教授が「彼女の名前は『キティ・ホワイト』。なんとイギリス出身なのです!」と発表すると、会場からは驚きの声が上がりました。グローバルに展開するハローキティのマーケティング戦略を足掛かりに、海外の文化に独自の解釈を加えて、新しい文化を生み出す日本人の特徴について説明。例えば中国発祥の「拉麺」は、日本では「ラーメン」として独特な発展を遂げ、女子中高生が制服として広く用いられている「セーラー服」も、元は海外の海軍服だったとした上で、「日本の文化は多文化であり、無国籍ともとらえることができます。そこに日本文化がグローバルに受け入れられる土壌があるのではないか」と考察しました。続いて日本最古のマンガともいわれる鳥獣戯画、江戸時代の浮世絵など、日本人が古くから優れたヴィジュアル的感性を持っていたことに触れ、それらが明治時代に欧州風の、1920年代に米国風のカートゥーン(マンガ、コミック)と融合。戦後に手塚治虫が登場し、「マンガの神様」として活躍するまでの歴史を紹介しました。最後にチャン准教授は、世界の事情と隔絶し、日本国内に向けて独自に機能を進化させた携帯電話、「ガラケー(ガラパゴス・ケータイ)」や「相撲」の例を挙げ、あまりにも純日本的すぎると海外では受け入れられないという課題を述べながらも、世界中のファンたちが待ち望んでいるクール・ジャパンに対する期待を述べました。

会場には日本人学生や留学生、教職員のほか地域住民、学校訪問で湘南キャンパスを訪れていたアレセイア湘南高校の生徒ら約30名が集まり、熱心に聴講。留学生からは「日本の文化について、日本ではなく世界的な視点からの話を聞けたのは貴重な機会でした」との声が聞かれました。また高校生たちは、「聞き取れない部分もあったけれど、英語が世界中の人とコミュニケーションを取るために重要なツールだと改めて感じた」「もっと語学力に磨きをかけて、もっと海外の文化を学びたい。失敗を恐れずに外国の人とも積極的にコミュニケーションを取っていきたい」と多くの刺激を受けた様子でした。

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