札幌教養教育センターの寺尾教授がNEDO助成を受けた産学連携研究に取り組んでいます

札幌教養教育センターの寺尾晶教授が、札幌市の創薬ベンチャー企業である株式会社エヌビィー健康研究所との産学連携による共同研究をスタートさせました。エヌビィー健康研究所は、中小企業を対象としたイノベーション促進を目的とした、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業」助成に採択されましたが、学校法人東海大学は橋渡し研究機関※として連携することになります。このエヌビィー健康研究所と寺尾教授による共同研究は、中堅・中小企業の海外進出を支援する官民連携組織である「新輸出大国コンソーシアム」からの推薦を受けており、同コンソーシアムのメンバーとして日本貿易振興機構(JETRO)などの企業支援機関と連携し、製品開発から国際標準化、販路開拓に至るまでの海外展開に必要な総合的支援も受けることになります。

寺尾教授らの研究テーマは「新しい作用機序による睡眠維持薬の実用化に向けた開発」であり、資金力の高い海外の大規模医薬品メーカーに向けて、”創薬シーズ(創薬の種)”を新規提案していくものです。武田薬品工業株式会社や北海道大学での勤務を経て、昨年本学に着任した寺尾教授の専門は神経生理学や睡眠科学で、20年以上にわたって睡眠調節機構の解明に関する研究に従事しています。今回の共同研究では、「良質で自然な睡眠を維持させる」ことを目指した 新規作用機序を持つ睡眠薬の創製に取り組みます。寺尾教授は、「従来の睡眠薬の多くは長く良質な睡眠を維持することが難しいのが現状です。本研究を通じて、一晩を通してぐっすり眠れるような新しいタイプの睡眠維持薬の実現を目指します」と話しています。

※橋渡し研究機関=中堅・中小企業等に技術シーズを移転することでビジネスにつなげることや、研究能力を用いて中堅・中小企業等が持つ技術を迅速かつ着実に実用化することを通じて、中堅・中小企業等の技術力向上や生産方法等の革新等の実現を促進する国内の公的研究機関、大学又は高等専門学校(2016年度現在、166機関)/NEDOサイトより引用