卒業生がおよそ100年ぶりに新種のクリオネを発見しました

北海道東海大学工学部海洋環境学科(現:生物学部海洋生物科学科)を2004年度に卒業した山崎友資さんがこのほど、およそ100年ぶりとなるクリオネの新種を発見しました。山崎さんは、北海道蘭越町立貝類博物館「貝の館」で学芸員を務めており、北海道立オホーツク流氷科学センターの桑原尚司さんと共同でクリオネの研究に取り組んできました。

クリオネはこれまで、世界で3種が確認されており、オホーツク海で見つかっていたのは体長約3cmの「リマキナ」1種類だけでした。今回確認された新種は体長約8mmで、オホーツク海で見つかったことから、学名「オホーテンシス」と名付けられました。新種と分かったクリオネは10年以上前から存在が確認されていましたが、当時はすでに見つかっているクリオネの幼生と見られており、山崎さんと桑原さんが約1年間飼育しながら、遺伝子解析などで新種と特定しました。

在学時に、山崎さんの研究指導に当たっていた南秀樹教授(生物学部海洋生物科学科)は、「山崎さんは元々貝類が好きで、研究室では堆積物の研究をしていました。自宅にも貝の標本がたくさんあるような熱心な学生で、今回の発見も大変喜ばしいことです。現役の学生の励みにもなると思います」と話しています。

山崎さんは、「生物は名前をつけてから人々に認知されるので、今回の発見は本当にうれしい。クリオネ発見のニュースが報道されることで、多くの人たちが海や海洋生物に興味を持つきっかけになれば、海洋生物が生活しやすい海が保たれることにもつながると思います」と語りました。

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