笹川准教授がコクヨデザインアワード2018のファイナリストに選出されました

国際文化学部デザイン文化学科の笹川寛司准教授がこのほど、文房具メーカーのコクヨ株式会社が主催するデザインコンペティション「コクヨデザインアワード2018」でファイナリストに選出。1月18日に開かれた「ファイナリスト公開プレゼンテーション&受賞作品発表&審査員トークショー」に出席し、作品についてのプレゼンテーションも行いました。コクヨデザインアワードは、使う人の視点で優れた商品デザインを広くユーザーから集めて、商品化を目指すコンペです。今回は「BEYOND BOUNDARIES」をテーマに、国や言語、文化、性別、年齢などの“境界を越える”イメージの作品が募集され、1289点(国内766点、海外523点)の応募がありました。

笹川准教授の作品は「罫線フェードアウト」のタイトルで、コクヨの人気商品であるキャンパスノートを題材に、特殊なインクを用いて印刷されたノートの罫線が数年経つと徐々に消えていくというアイデアを提案。ノートを綴じる背クロス部分に「罫線が消える目安 2022年」と印刷するデザインを考案しました。笹川准教授は、「“境界を越える”というテーマについて考えた時に、文房具ではまずノートが浮かびました。私たち教員が授業で板書する際に、線に沿って書くということはありません。しかし、生徒や学生たちはノートの罫線に沿って筆記しています。『使い方を押し付けられているのでは?』と、当たり前を疑うところから発想しました。本学部の学生や隣接する付属札幌高校の生徒からノートを借りてリサーチしても、罫線は書く時にはガイドになりますが、見返す時には不要であり、むしろないほうが見やすいのではないかと考えました」と振り返ります。「わざと消えるインクというものはあまり研究されていないようですが、専門家にも相談して実現可能な技術と分かったこともあり、作品としてまとめました。モノをデザインする際に、時間の経過を意識することは多くはありません。一方でこの作品は時間の経過を積極的に取り込んでいくことがポイントになったと考えています。境界は時間とともに変化していくべきであるし、それはよりよい未来につながる前向きなイメージです。このノートを使う人に、小さなことからでもそんな気持ちになってもらえれば」と話しています。

笹川准教授は04年度の同コンペでも、宛名を書く際、白紙に向かって緊張しないようあらかじめ模様を印刷したハガキ「Relax」で審査員特別賞を受賞しています。「14年ぶりに応募した今回は受賞を逃しましたが、教員の立場でもこのようなコンペに応募し、その姿を見せることで、学生の皆さんにも挑戦することの大切さを感じてもらいたいと考えています」と話しています。

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