講演会「未来の日本を担う『外国につながる』子どもたちのために」を開催しました

東海大学連合後援会の研究助成金・地域連携部門の採択を受けている研究課題「秦野市と東海大学の連携による多文化共生推進プロジェクト」(研究代表=教養学部国際学科・小貫大輔教授)の取り組みとして、8月25日に小田急線「東海大学前駅」南口のタウンニュースホールで、講演会「未来の日本を担う『外国につながる』子どもたちのために」(主催=はだの子ども支援プロジェクト「ゆう」、CRI-チルドレンズ・リソース・インターナショナル、共催=東海大学地域連携センター、教養学部国際学科、国際教育センター、健康学部)を開催しました。本研究課題には、国際教育センターの田口香奈恵准教授、健康学部健康マネジメント学科の妻鹿ふみ子教授が参画。秦野市で外国人の支援を行う団体や市の教育委員会と連携し、講演会やワークショップを通じて多文化共生の仕組みづくりを行っています。今回の講演会は、今年6月に日本語教育推進法が施行されたことを受けて、外国籍の子どもの教育環境改善に向けて意見交換する場を設けようと企画しました。当日は市民や小学校の教員、学生など約80名が参加しました。

開会にあたって小貫教授が主旨を説明した後、田口准教授が、外国籍の子どもの保護者と市内の小中学校教員を対象に実施した聞き取り調査の内容を報告。言葉や文化の壁に阻まれコミュニケーションがうまく取れていない現状を紹介し、教育機関と自治体が連携した支援構造の必要性を訴えかけました。続いて、愛知淑徳大学交流文化学部准教授の小島祥美氏が登壇。岐阜県可児市で尽力した外国籍の子どもの支援活動などを紹介し、「支援の内容は自治体によって格差があるのが現状です。学校に行ける子どもたちに、勉強するモチベーションや将来の目標を持ってもらえるよう支援の輪を広げていきたい」と語りました。

また、参加者によるグループワークでは、今後どのような支援活動をしていくべきか、参加者同士で意見を交換。「一番大切なのは互いの”違い”を認め合うこと。『日本では非常識』と思うような行動があれば教えるなどして歩み寄るべき」「NPOや大学が支援活動をしたくても、国際学級のある学校の教員や外国籍の子どもの親がその存在を知らなければ、支援することができない。必要な情報が必要な相手に届くよう、地域でネットワークをつくるといいのでは」など、現状の課題を踏まえたさまざまな意見が上がりました。小貫教授は、「これまで個々に活動していた方々が一堂に会し、これから一緒に活動していくために必要なつながりをつくることができたと感じています。外国籍の子どもたちの日本語教育を促進するうえでは、家庭での会話がなくならないよう、母語もおろそかにしてはいけないと考えています。ほかにも、これまで私たちが活動してきた中で感じたことや、日本で暮らす外国人の方からの意見をまとめ、国や自治体に提言していくことが目標です」と語りました。

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