「第2回駿河湾研究会」を開催しました

大学院海洋学研究科と海洋研究所が9月17日に、「第2回駿河湾研究会」を開きました。本研究科と研究所ではこれまで以上に駿河湾をフィールドとした研究を推進していく計画であり、「駿河湾研究会」は、この研究活動のキックオフとして企画したものです。8月に開催した第1回研究会では、海洋生物の研究を専門とする教員が講演しました。第2回となる今回は、海洋文明学を専門とする教員が登壇。学内外の研究者や静岡県、静岡市の海洋事業関係者ら約40名が、グループウェア「Teams」のオンライン配信や清水キャンパスに設けた会場で聴講しました。

初めに、海洋学部海洋文明学科の木村淳講師が「水中考古学から見た駿河湾」をテーマに、水中考古学の研究意義と現在実施している調査・研究の概要を紹介しました。第二次世界大戦後、アメリカ軍によって駿河湾に海沈処分された戦艦が発見されていないことから、深海での遺跡調査に取り組んでいく研究計画について語りました。続いて、同学科の関いずみ教授が登壇し、これまで実施してきた静岡市駿河区の用宗漁港周辺での地域連携活動について講演。静岡県を中心に、全国各地の漁村のまちづくり事業に取り組んできた経験から、行政や若年層、地域内外の人々などとの連携の重要性を解説しました。また、水産学科食品科学専攻の平塚聖一教授は、シラスやアジといった駿河湾沿岸の食文化について紹介し、「地産地消の料理を提供することは究極の第6次産業。行政と漁協が連携し、観光客向けの産業を生み出していければ」と語りました。

最後に海洋文明学科の山田吉彦教授(静岡キャンパス長)が登壇し、キャンパスからほど近い清水港の海洋文化都市構想を解説。本学が協力している沖縄県石垣市や愛媛県今治市の港町における都市計画の事例や、2022年度からのスタートが予定されている、清水駅・清水キャンパス間の自立運航船プロジェクトの概要などを紹介。山田教授は、「清水は首都圏から近く、観光資源も豊富な地域。また、海底資源が豊富な海域へも移動しやすい。産官学で連携し、世界とつながる港としてPRしていきたい」と語りました。講演後は参加者を交えた総合討論会を行い、地域の新たな観光資源の活用について意見を交わしました。