生物学部海洋生物科学科の学生らが「マナマコの人工採苗」を実施しました

生物学部海洋生物科学科の櫻井泉教授の研究室が、6月26日に北海道留萌市にある本学部の留萌臨海実験所で「マナマコの人工採苗」を実施しました。本学では同市ならびに同市の新星マリン漁業協同組合と水産技術の調査研究に関する連携事業協定を締結しており、櫻井教授の研究室では2019年度から東海大学連合後援会研究助成金の採択を受けて同実験所で、「マナマコの中間育成技術の確立」を目指しています。マナマコは中国からの需要が高く、価格が高騰しており、地域にとって重要な水産資源となっています。そこで、地域水産業の活性化を目的に、臨海実験所で稚ナマコを育て一部を漁港内に放流するとともに、本学が開発した独自の空気ポケットフェンスが備わった育成施設にも放流し、成長・生残を追跡調査しながら育成技術方法を探っています。

今回の人工採苗には研究室の学生や札幌教学課技術員、同市役所職員、漁業関係者らが参加。人工受精で生まれた270万尾のナマコ幼生を確保しました。今後は10mmの稚ナマコ種苗を8万尾生産することを目標に11月まで陸上飼育を続け、その後漁港と中間育成施設に放流する予定です。櫻井教授は、「稚ナマコ種苗の生産技術が進歩する一方で、中間育成技術は確立されていません。本研究室では留萌市のほか、道内各地で中間育成に関する調査研究を行っていますので、そのノウハウを生かして育成方法の確立や地域貢献につなげていきたい」と語っています。