観光ビジネス学科「国内観光研修2022」を実施しました

経営学部観光ビジネス学科では2月18日から22日まで長野県安曇野市、大町市、白馬村で「国内観光研修2022」を実施しました。国内の観光地で観光ビジネスの実情を総合的に学ぶことを目的とした授業で、コロナ禍の影響で3年ぶりの実施となった今回は前田芳男教授(文理融合学部学部長)が担当。熊本県にはない「冬の雪」を生かした観光振興やホテルや観光協会などが連携して地域活性化に取り組む様子を学ぼうと、長野県をフィールドに設定し、2、3年次生10名が参加しました。

2月18日に長野県入りした一行は、翌日から安曇野穂高ビューホテルを拠点に研修をスタート。安曇野市の宿泊施設が集まった団体「くらとま(安曇野で暮らすように泊まる)」の実行委員会委員長を務める衛藤悦郎会長(同ホテル代表取締役)から、宿泊はホテルで、夕食は市内の飲食店利用を促す「Bed&Breakfast」といった活動内容やホテルの経営戦略について説明を受け、同市観光協会の北林大氏(企画営業担当部長)から観光客の動向や、日本で唯一取り組んでいるアドベンチャートラベルガイドの育成などについて説明を受けました。西村明香さん(3年次生)は、「30~40代の女性をターゲットとしたウェルネスツーリズムを取り入れ、地産地消の朝食バイキングにも力を入れているといった話が印象に残りました」と話していました。その後は北林氏らの案内で「大王わさび農場」や「信州サーモン」の養殖場などを見学。アウトドアツアーの運営を手がける尾﨑誠一氏(EL COMPANY代表)のガイドで、安曇野穂高ビューホテルが今年2月から実施している周辺の山道をスノーシューを履いて巡る「雪原の大冒険 謎解きゲーム」も体験しました。

3日目は大町市役所の職員らの案内で同市美麻地区を訪れ、定住促進住宅や、休憩施設(ラウベ)と農園をセットにして貸し出している「ふたえ市民農園」などを見学。シカの角を使ってキーホルダーを作るワークショップも体験しました。スノーハイクの後、大町市立美麻小中学校を訪問。商品開発や地域活性化などに取り組む9年生(中学3年生)と互いの活動を紹介し、同校地域学校協働コーディネーターの前川浩一氏らの講義も受けました。石川砂黄さん(3年次生)は、「地域密着型の観光振興に興味があり参加しました。生徒たちが自ら考え、商品や宣伝用の動画まで制作している姿に驚きました。自分から地域に参加する大切さを感じました」とコメント。西村さんは、「地域に伝わる民話やきれいな風景など、その土地の人しか知らないことをたくさん教えてもらい、観光を考えるうえで住民の声を聞く必要性を実感しました」と話していました。

最終日は白馬村を訪問し、同村観光局のマーケティングマネージャー吉沢紘一氏からインバウンド観光が地域にもたらす影響などについて聞き取り調査を実施。白馬インターナショナルスクールでは理事長の草本朋子氏から、実践を生かした学びの重要性などについて講義を受けました。俣野陽向さん(同)は、「くらとまの皆さんや地域の方々がお客さんに“何かをしてあげたい”“好きでやっている”という雰囲気がとてもいいなと感じました。一つのイベントではなく、地域を盛り上げるために常日頃から連携する方法を学びました」と話しました。前田教授は、「安曇野穂高ビューホテルの衛藤さんは小中高の同級生で、以前からかかわりのある地元の方々も、学生たちのためにとたくさん協力してくださいました。少子高齢化が進み、生産人口が減る今、若い人の活躍なくして地域の発展はありません。ただ観光地を巡るのではなく、人に会って多くのことを学んでくれたのでは」と語っていました。