秦野市内の屋外彫刻をメンテナンスする「彫刻を触る☆体験ツアーin秦野2022」を実施しました

ティーチングクオリフィケーションセンター(TQC)が3月5日に、小田急線・渋沢駅前の北口広場で、屋外彫刻メンテナンスイベント「彫刻を触る☆体験ツアーin秦野2022」(共催=秦野市文化スポーツ部文化振興課)を実施しました。TQCでは、開講科目「博物館実習2」(松前記念館実習)の実践実習の中で、屋外彫刻に直に触れる体験を通じて新たな芸術鑑賞法を知ってもらおうと2014年度から湘南校舎内にあるブロンズ像のメンテナンス活動を開始。近年では地域貢献活動として秦野市や藤沢市、東京都北区などでもメンテナンスを行っており、今回の取り組みもその活動の一環として実施したものです。当日は、学生や秦野市の彫刻管理のボランティア「彫刻愛し隊」のメンバー、市民ら約20名が参加しました。

当日は、TQCの篠原聰准教授がイベントの趣旨を説明した後、参加者は北口広場内に設置されている横山徹作「風景の器」と中岡慎太郎作「MY FAMILY」、植松奎二作「浮くかたち―赤」の3つの作品の汚れや傷を確認。専用の洗剤やブラシ、高圧洗浄機を使って汚れを落としました。参加者した学生は、「わずか数時間の作業でここまできれいになるとは思いませんでした。洗浄前と作品の雰囲気が変わったように感じる」「実際に取り組むことで、メンテナンス活動の重要性を心から理解することができた」と話していました。秦野市文化スポーツ部文化振興課の米津朱理氏は、「メンテナンスを通して彫刻に触ることで、座学だけでは得られない経験ができると思います。秦野市内にはまだまだ屋外彫刻作品があるので、今後もメンテナンスに市民が関わる機会を増やしていきたい」と語りました。

企画運営を担当した篠原准教授は、「現在、小田原市や藤沢市などにも展開している彫刻メンテナンスは秦野市との連携から始まったので、原点である大学周辺地域で活動できることをうれしく思います。新型コロナ禍以降、学外での連携事業に学生は参加できていなかったので、活動の意義や地域と美術作品の関係性などを考える上でも多くの学びがあったのではないでしょうか。また、人が行き交う駅前に設置されている彫刻作品をメンテナンスしたことで、市内で暮らす方々に活動を知ってもらう機会にもなったと感じています。これからも連携を強化するとともに、活動を継続していきます」と話していました。