社会教育主事の資格取得を目指す学生たちが相模原市の公民館でイベントの企画・運営に携わりました

社会教育主事任用資格の取得を目指す学生が、8月6日に神奈川県相模原市の大野南公民館で開かれた「こどもまつり」の企画・運営に携わりました。社会教育主事は、主に公民館などにおける市民向けの社会教育を担当する専門職員として、市町村の教育委員会に置かれる役職です※。同公民館では、社会教育演習を担当する古里貴士准教授の指導の下、これまでも若者講座の準備委員会に学生が参加するなど多彩な活動を展開してきました。今回の取り組みは、実務を経験して公民館の仕事に対する具体的なイメージをつかむとともに、将来の進路選択に役立ててもらおうと4年次生を対象としたティーチングクオリフィケーションセンターの開講科目「社会教育演習」の授業の一環として実施しました。

今回参加した8名の学生は、6月から同公民館の職員や市民、近隣小学校の児童で組織された実行委員会に参加して企画段階から参画。毎週土曜日に公民館へと通って、企画内容について子どもたちと意見を交わすなど綿密に準備を進めてきました。8月5日には、前日の準備に参加し、お化け屋敷やストラックアウト、くじ引きコーナー、昆虫展示などの設営に汗を流し、6日の本番では約170名が来場する中、イベント運営に当たりました。参加した水津颯さん(政治経済学部4年次生)は、「中学校時代から地元厚木市のボランティア活動に参加しており公民館は身近な存在でしたが、大学生になるとあまり関わる機会もなく、演習の授業を通じて計画を立て、企画を実行にまでつなげる経過は貴重な経験になりました」とコメント。塩崎夢七さん(文学部4年次生)は、「計画を立てても行き詰まり、現実と理想のギャップを感じることもありましたが、大学外の人たちと連絡や調整を続ける中で、実社会で求められる力を得られたのではないかと感じています」と語りました。

大野南公民館の中村洋子館長は、「当公民館をはじめ、相模原市の公民館は積極的な市民参加を推進しており、東海大生の皆さんにも若者講座やこどもまつりなどで熱心に活動していただいています。学生の皆さんが公民館の活動を通じて市民や子どもたちと関わる中で、価値観が多様化するこれからの社会で求められる、人の話をよく聞く力を身に着けてくれたのではないでしょうか」と話しました。古里准教授は、「学生たちは子どもたちのファシリテーターとして議論を主導して意見を引き出すとともに、子どもたちの思いを大切にした上で、できることとできないことの線引きや、安全確保などの面にも配慮して企画の実現へと結び付けてくれました。将来、社会教育主事として活躍するためにも、実践を通じた経験は大きな財産になると期待しています」と話しています。

※社会教育主事になるためには、社会教育法で定められた資格が必要。地方公務員試験や教員採用試験に合格して採用され、学校教員や教育委員会の職員として勤務した後に、社会教育主事の講習会を受けて資格を得る場合や、大学で社会教育主事任用資格に必要な単位を修得するなどしたうえで、官公庁などで社会教育に関する業務に1年以上就いて資格をとる方法もあります。