農学部の教員による「食と健康」に焦点を当てた研修会・市民公開講座を開催

1月27日(土)、一般社団法人日本食品安全協会 健康食品管理士会・九州支部が主催する研修会および市民公開講座が、本学の熊本キャンパスで開催されました。

日本食品安全協会は、健康食品を始めとする食の安全・安心と健康問題に適切に対処できるアドバイザリースタッフ(専門家)を、教育界で育てることを目的に設立された団体で、全国の各地区でこのような研修会や講座が開かれています。本学農学部も同協会の認定を受け、健康食品管理士/食の安全管理士の養成校として指定されています。
協会HP:https://www.jafsra.or.jp/index.php

当日は、「No Agri, No Life! No Food, No Health(農がなくちゃ生きられない! 食べものあっての健康!!)」を大テーマに、本学農学部の2名の教員による、「食と健康」に焦点をあてた講演がありました。以下にその詳細をご紹介します。

【講演内容】

演題1. 「ワン・ウェルネスの視点から考える私たちの食 —エシカル,エコロジカル,テロワール—」
講師:岡本 智伸先生(農学部 動物科学科 教授 農学部長)

 食と健康を考える前提として、国内の食料生産の問題や背景、そして地球への負荷を考慮した「ワン・ウェルネス」という概念についてご紹介がありました。加えて、現在熊本県を中心に進められているライフサイエンスを核にした新産業創出拠点「くまもとUXプロジェクト」の紹介を交えながら、「食・農、健康、生態系」における挑戦課題について力強く語りました。


演題2. 「多様化する健康問題〜栄養・食物アレルギーの観点から〜」
講師:外村 彩夏先生(農学部 食生命科学科 講師 管理栄養士)

 「栄養」という言葉の意味を正しい理解から現代型の栄養による二重負荷、そして食物アレルギーが成人でも発症する可能性に焦点を当て、「感作」という言葉や最新の研究成果とともに、わかりやすく解説しました。

アットホームな雰囲気の中、受講者からは、「食の背景にある生産者の意図や環境意識について広く知ることができました」、「栄養やアレルギーについての理解を深めることができました」といった感想が寄せられ、講演会は好評を博しました。 本学農学部では、「食」とそれに関わる「生命」「環境」「社会」をキーワードに、学生教育や市民教育に積極的に取り組んでおり、地域社会への貢献を進めてまいります。