「SPC主催コンプライアンス研修会」を実施しました

スポーツプロモーションセンター(SPC)では4月24日に湘南キャンパスで、本キャンパスの運動部を対象とした「コンプライアンス研修会」を実施しました。スポーツを通じた人材育成とコンプライアンスに対する意識向上及び知識習得を目的としたもので、各クラブに所属する学生と指導者ら約1800名が出席しました。

初めにSPCの陸川章所長があいさつに立ち、「皆さんが東海大のスポーツの代表であり、顔であると認識してください。前男子バレーボール部監督で前体育学部長の積山和明先生はいつも“いい選手、いいチームで勝ちたい”と話していました。柔道の山下泰裕副学長は“人間力の向上なくして競技力の向上なし”とおっしゃっていますが、私もそう思います。今日の研修を通して何か一つでも持ち帰り、いい人、いい選手、いいチームになってください」と語りかけました。続いてSPCの勝田隆次長が「大切にしたい事、共有したい事『インテグリティ』」をテーマに講義。「国際オリンピック委員会のジャック・ロゲ前会長は2010年のユースオリンピック開会式で“単にゴールテープを一番先に切るWinnerではなく、真のチャンピオンを目指してほしい”と投げかけました。よき学びの場としてスポーツが発展していくことが大事だというメッセージです」と話しました。さらに、ピーター・ドラッカーの「Integrity(真摯さ、品位、誠実)に欠けるものは、いかに知識があり、才気があり、仕事ができようとも、組織を腐敗させる」という言葉や、日本初の五輪金メダリストである織田幹雄氏の「強いものは美しい」という言葉を引用し、「何気ない行動の中に美しさやかっこよさがあり、相手を思い、一緒になっていいものをつくろうと気持ちを持つ必要があります。どのように行動に移していくかが大切であり、それが人の心を打ち、学びにつながる」とまとめました。

次に、一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)法務部長で弁護士の中山祥氏が「運動部におけるコンプライアンス」と題して登壇。さまざまなハラスメントについて解説し、「軽度なものであってもハラスメントがあった所属クラブの雰囲気は悪くなり、競技環境に影響を及ぼします」と説明しました。学生がハラスメントをした場合の処罰についても解説し、「一つひとつの行動がハラスメントになるかを事前に判断するのは非常に難しい。指導者や学生同士のコミュニケーションが重要になります。先ほど、インテグリティという話がありましたが、誰も見ていなくてもいつでも正しいことをする、たくさんの人に支えられて活動している意識が大切です」と語りかけました。続いて陸上競技部駅伝チーム監督の両角速教授(SPC)が「スポーツだけやっていれば良い時代は終わった!」をテーマに講義しました。両角教授は、「先日発生した飲酒の強要は特定のクラブだけの問題ではありません。全体で共有して、この先、間違いが起きないようにしていかなければなりません」と語りました。「スポーツをするために大学に来たと考えている学生もいるかもしれません。しかし、自分は特別だと勘違いせず、しっかりと授業を受けて、応援してもらう姿勢を見せることが大切です。運動部のエネルギーや魅力が大学の大きな力になっていると常々感じています。魅力ある大学にしていこうという気持ちがあれば、おのずと問題はなくなっていく」と話しました。最後に「運動部が最高のTOKAIをつくろう!」と語りかけ、閉会しました。

参加した学生たちは、「競技力、技術力の向上は大切ですが、それ以上に応援されるチームをつくることが大事だと学びました。さまざまな人に支えられ、助けられてスポーツができていることを忘れてはいけない」「どのような行為がハラスメントに該当するのかを改めて考える機会になりました。厳しさイコール暴力ではなく、論理的に丁寧な言葉で説明する必要があると分かりました。チームの目的は何なのか、どういうチームになりたいのかを部員全体で共有し、ギャップが起きないようにしなければならないと感じました」「運動部に所属する私たち一人ひとりの行動や言動が大学のブランド力につながります。見ている人は必ずいるからこそ、憧れられる姿を見せられるように努力したい」と話していました。