「東海大学ソーラーカーチーム」がワールド・グリーン・チャレンジで優勝しました

チャレンジプロジェクト「東海大学ソーラーカーチーム」が、8月10、11日に秋田県・大潟村ソーラースポーツラインで開催された「ワールド・グリーン・チャレンジ」のワールド・ソーラーカー・ラリー(WSR)に出場。2019年にオーストラリア3000kmを縦断する世界最大級のソーラーカー大会「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」(BWSC)で準優勝したマシン「2019年型Tokai Challenger」で周回数計34周(総走行距離875km)を走破し、マシンの規格で分けられるチャレンジャークラスで頂点に立ち、総合優勝にあたるグランドチャンピオンに輝きました。

WSRは、全国から高校、大学、社会人らによるチームが集うソーラーカー大会です。例年は3日間にわたって競技が実施されていますが、今回は台風5号の接近により、最終日が1日短縮され、2日間で実施されました。8日に現地入りしたメンバーは、さっそくテスト走行を行い、翌9日には車検をクリアして予選を4位で通過しました。レース初日は、電気系統のトラブルやコースに散らばった小枝でタイヤがパンクするといったアクシデントに見舞われましたが、昨年のBWSCに参戦したメンバーを中心に冷静に対応。トップに立つと、好天を味方に他チームを突き放して首位で1日目を終えました。2日目は曇天が予想されたため、バッテリーを温存しながらもマシンの性能をフルに生かして順調に走行。午後には予報に反して好天に恵まれたことを受けてペースを上げ、最終的には2位の広島県・呉港高校に2周(50km差)をつけて優勝を決めました。表彰式後には、7月に還暦を迎え特注の赤いチームウェアで参戦した木村英樹監督(工学部教授)や、今大会がラストドライブとなった岡本陽佑さん(大学院工学研究科2年次生)を胴上げして、2年ぶり3度目となる優勝の喜びを爆発させました。

チームを指揮する佐川耕平総監督(工学部講師)は、「今大会は、新しく加わったメンバーにレースの雰囲気を体感してもらうことはもちろん、昨年度から携わっている学生たちも新たに中心的な役割を果たす貴重な経験の場になりました。1日目までは学生間の連携にぎこちなさもありましたが、2日目は私たちがあまり指示をしなくてもそれぞれの役割を理解して動けていました。しっかりと勝ち切れて今後のレースにつながる大会になったと思います」と語り、今大会の学生代表を務めた熊林楽さん(工学部3年次生)は、「何度も国際レースで戦ってきた工学院大学や呉港高など日本トップクラスのチームが参戦する中、初日からトップを守って勝ち切ることができて自信につながりました。来年8月に開催されるBWSCでは世界の頂点に立てるよう、新型マシンの開発はもちろん、レース運びにも磨きをかけていきます」と力強く話していました。

また、今大会には若手メンバーの育成を目的に、チームの特別アドバイザーを務める池上敦哉さん(ヤマハ発動機)が開発した小型マシン「Tokai Mini Challenger」も出場。電気班の1年生3人と、新人ドライバーの1年生と2年生の2人が奮闘し、予定の周回数をクリアして完走しました。Mini Challenger班のリーダーを務めた白田敬菜さん(理学部1年次生)らメンバーたちは、「7月から約1カ月と限られた準備期間でしたが、システム系の整備や発電試験などを繰り返してきました。本番では順調に走行してくれてほっとしたというのが正直なところです。この経験は新しいマシン作りにも役立つと思うので、今後もチームの戦力になれるよう頑張ります」と話していました。