キャンパスライフセンター・ToCoチャレの「東海大学ソーラーカーチーム」が、今年8月にオーストラリアで開催される世界最大級のソーラーカーレース「Bridgestone World Solar Challenge 2025(BWSC)」出場に向け、6月16日に湘南キャンパスで参戦体制発表会を開催しました。ソーラーカーチームは、オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまで約3000kmのコースで2年に1度開催されるBWSCで、2009年と11年の大会で連覇を果たし、19年は僅差で準優勝するなど好成績を残してきました。23年に開かれた前回大会では、日本チームトップの5位になっています。チームは、世界一奪還を目指す今大会に向けて、東レ株式会社や東レ・カーボンマジック株式会社など、国内外の多くの企業から支援を受け新型マシン「2025年型 Tokai Challenger」の開発を進めてきました。また、大会タイトルスポンサーである株式会社ブリヂストンが供給するソーラーカー専用タイヤの開発にも走行試験データーの提供などで協力してきました。

19号館オープンマルチアトリエで行われた発表会では、まずチーム監督を務める木村英樹学長(工学部教授)が登壇。協賛企業や関係者への謝辞を述べるとともに、本学におけるソーラーカー開発の歩みを紹介し、「地球温暖化の抑止を目的としたカーボンニュートラル人材の育成を目指して活動してきました。本学における分野を超えた研究力と、多くの企業の皆さまのご支援で2度の世界一に輝いており、学生にとって社会的実践力を身につける教育プログラムにもなっています」と語りました。続いて新型マシンを披露し、ブリヂストン グローバルモータースポーツオペレーション部門長の内田達也氏が、BWSC開催の意義を説明。東レ株式会社トレカ事業部門産業材料部・足立大輔部長と、東レ・カーボンマジック株式会社の奥明栄代表取締役社長が具体的なサポート内容を語るとともに、学生たちに激励のメッセージを送りました。






その後、佐川耕平総監督(工学部准教授)が大会概要とともに参戦メンバーやサポートに当たる教職員を紹介。広報担当の鬼頭優菜さん(経営学部3年次生)は、今大会のレギュレーションに基づいて開発したマシンの特徴を解説しました。質疑応答では、搭載パーツやレースの詳細に関する質問が多数寄せられ、意気込みを聞かれた学生ドライバーの小平苑子さん(大学院工学研究科1年次生)は、「23年大会で初めて参戦し完走できたことに満足していましたが、2年間の開発を経て優勝を逃した悔しさが込み上げてきました。今回は、“前回大会で東海大より上位だったチームよりも早くアデレードに着きたい”という強い思いで臨んでいます。すべての準備を万全に整え、レース本番を迎えたい」と力強く語りました。



発表会終了後は、湘南キャンパス中央通りで試走も披露。報道陣や学生、教職員が見守る中、小平さんがステアリングを握った新型マシンが快走を見せました。チームは今後もテスト走行を重ね、7月28日(月)に先発隊が日本を出発。8月8日(金)には本隊がダーウィンで合流して車体の最終整備や車検、予選に臨み、24日(月)から31日(日)にかけて行われる本戦で世界一奪還に挑みます。


