熊本復興支援プロジェクトが「阿蘇の声から学ぶ 防災工作体験」を開催しました

東海大学チャレンジセンター・熊本復興支援プロジェクトが4月14日に湘南キャンパスで、「阿蘇の声から学ぶ 防災工作体験」を開催しました。平成28年熊本地震の被災地の声を全国に届けることを目標に、長期休暇などを利用してボランティア活動などを行う本プロジェクトでは、春休み期間中にも熊本県を訪れ、被災した農学部の学生や仮設住宅に住む住民らと交流。メンバーたちは現地で聞いた「熊本地震を風化させないでほしい」、「私たちの経験を教訓にしてほしい」といった声を湘南キャンパスの学生にも届けるべく、前震が発生してから1年が経った同日にイベントを企画しました。

当日は、メンバーの作田瞬さん(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻3年次生)が昨年4月14日と16日の2回にわたって最大震度7を記録した熊本地震当時の様子や被害状況について、被災者の体験談を交えて説明。「話を聞いた農学部の学生は本震とされる2度目の揺れの後、命からがらアパートから抜け出したそうです。倒壊したアパートから近隣の友人を助け出すときには、がれきやクギで救助する側も血だらけになっていたという話を聞き、あらためて地震の恐ろしさを痛感しました。その後も熊本の学生たちは復興を目指し、ボランティア活動やイベントを開いています。多くの方から体験談を聞く中で、『地震に備えてしっかりと防災グッズなどを準備しておくこと』、『被災したときのシミュレーションをしておくこと』『被災後は地域住民と助け合い率先して行動すること』が大切だと感じました」と話しました。続いて、プロジェクトリーダーの津田哲平さん(文学部心理・社会学科4年次生)が「地震発生後のシミュレーション」をテーマに、自宅、キャンパス内、アルバイト先で被災した際の避難の方法を紹介。「地震発生直後は何よりもまず身の安全を確保することが大切。揺れが収まったら、火の始末や出口の確保をして、家族の安否を確認しましょう。身内の人と離れた場所にいる場合は、各電話会社が提供している災害用伝言板が便利です。建物から避難する際には、近隣住民と助けあいながら、安否確認や救護活動をしましょう」と呼びかけ、「湘南キャンパスで被災した際には、総合グラウンドと陸上競技場が避難所に指定されています。どちらか近いほうに落ち着いて移動しましょう」と説明しました。

その後、参加者とグループに分かれて避難所にもあると思われるダンボールやゴミ袋、新聞紙、ペットボトルなどを使って防災工作に挑戦するワークショップも実施しました。参加者たちは、自身が被災した際のイメージを膨らませながら、チラシとビニール袋を組み合わせてお皿を作ったり、ゴミ袋を使って雨具を作ったりして、限られた材料を用いて避難所で生活しやすくする道具を製作しました。参加者は、「防災工作では、今まで以上に自分が被災したときのイメージを膨らますことができ、対策をほとんどしていない自分の現状に恐怖を感じました。今回の経験を生かして、減災につながる準備を進めたい」と話し、メンバーの作田さんは、「現地でたくさんの声を耳にして本当に胸を打たれました。少しでも多くの人に熊本地震の経験を伝えるためにも、学内外問わず活動を続けていきたい」と語っています。

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