教育開発研究センターの「第7回教育開発フォーラム」を開催しました

教育開発研究センターでは3月10日に、湘南校舎で「第7回教育開発フォーラム」を開催しました。この研究会は、教員による教育活動に関する実践報告やディスカッションを通して、学園における教育問題の解決と発展に貢献しようと毎年開催しているものです。今回は、「新たな授業方法の模索-With コロナ時代に向けて-」をテーマに報告会や意見交換会を実施。当日は、オンライン参加を含め約50名の教職員が参加しました。

当日は、はじめに本センターの及川義道所長による開会のあいさつの後、話題提供として情報理工学部の稲葉毅教授が「Open LMS 再入門〜知ってるはずの便利な使い方〜」と題して講演。本学の授業支援システムであるOpen LMSの使用方法や利便性などについて説明しました。続いて、本センターの新田時也准教授が生涯学習に体験型ボランティア活動が有効とされる理由について解説するとともに、広島大学病院でのミサンガ制作など複数の事例を紹介しました。最後に、及川所長が「2Dメタバースを用いた授業、学修支援について」と題して、近年注目を集めるVRをはじめとするメタバース関連技術を用いた教育環境について解説。「メタバース教育は『新型コロナ禍における学生の孤独感の低減や少しでも現実での交流に近しい体験を与えられないか』という思いから検討されている」と語り、自らが開講する授業でオンラインのバーチャル空間「oVice(オヴィス)」を用いた授業を試みた際の様子や学生の反応について報告しました。また、今後の展開についても語り、「授業は対面に戻りつつありますが、科目によっては遠隔授業の需要は大きいと思われます。授業以外での利用など応用範囲は広いので、活用場面を随時検討していきたい」と話しました。

話題提供後は報告会が開かれ、本センターの3名の教員が発表。宮川幹平准教授は「授業現場におけるシラバスとルーブリックの活用について-学習目標と評価を中心に-」と題して、自身が授業で取り入れているインストラクショナルデザイン(ID)の知見を紹介。学生の学習目標の明確化するとともに、成績評価方法も分類分けしやすくなる方法などを解説しました。続いて、園田由紀子講師が「大学におけるダイバーシティ教育が目指すもの」をテーマに、ダイバーシティ教育の概要や初等中等教育への導入について解説。東海大学の学生を対象に行ったアンケート調査の結果から、アンコンシャスバイアス(見えない偏見)に気付ける社会公平教育の仕組みづくりが必要だと提言しました。最後に、馬場弘臣教授がオンデマンド授業で実施したアンケート調査結果を報告し、「評価を明確化しやすいなどのメリットはあるものの、学生によって向き不向きがあるとともに、講義内容が端的で薄くなるデメリットがある」とまとめました。

最後には、参加者全員で「新たな授業法の模索」をテーマに、講演内容に対する質問や教育の在り方、システムの導入について、活発な議論を展開しました。