イメージング研究センター10周年記念講演会を開催しました

東海大学イメージング研究センター(TICAR)では9月11日に、湘南キャンパスで10周年記念講演会「産官学連携が拓く研究基盤の未来~コアファシリティが創る次の10年~」を開催しました。TICARは、世界最先端のイメージング技術を有するニコングループとの包括協定締結により2016年に設立。同社製等の光学機器を備えた「見ること」に特化した共同利用施設として、医学や理学、工学といった分野の学内外の研究者らに活用されています。講演の様子はオンラインでも配信され、当日は約150名が参加しました。

初めにTICARを所管する本学マイクロ・ナノ研究開発センター(MNTC)の岡村陽介所長(工学部応用化学科兼任)が開催趣旨を説明。「医学、工学、生命科学、材料科学などさまざまな分野の垣根を越えた共同研究や研究支援に取り組んできましたが、大学の研究基盤を取り巻く環境はここ数年で大きく変わり、コアファシリティのあり方がこれまで以上に重要になっています。本日は新たな研究基盤をどのようにつくっていくのかを、皆さまと考える機会にしていきたい」と語りました。続いて木村英樹学長と株式会社ニコン執行役員ヘルスケア事業部長の園田晴久氏が開会のあいさつに立ち、産官学連携の重要性や将来の研究者を育成する大学の役割、企業・行政と協働する意義について語りました。

続いてMNTC所属教員の喜多理王教授(大学院総合理工学研究科長、理学部物理学科兼任)が、利用登録者数の推移や機器ごとの利用件数を紹介し、学内の論文作成数や研究費の獲得件数増加との相関について解説。TICAR機器の活用事例として、MNTC所属教員の木村啓志教授(工学部機械工学科兼任)と岡村所長がそれぞれの研究成果を紹介しました。また、文部科学省科学技術・学術政策局参事官(研究環境担当)付の高山勇人氏が、「全国の研究者が挑戦できる魅力的な研究環境の実現に向けて~先端研究基盤刷新事業(EPOCH)が描く新たな研究基盤~」をテーマに招待講演を行いました。今年度から、大学の研究設備や専門人材を集約・強化し、機関の枠をこえて活用できる研究基盤の構築支援事業「EPOCH」が開始し、本学も「北海道大学コアファシリティ・プロジェクト」の連携大学として参画しています。高山氏は、少子高齢化社会における科学技術向上の重要性や設備不足が原因で研究が進展しない事例への懸念について語り、「全国の大学が所有する機器を研究機関や企業と共有し、日本全体の研究力向上を目指す施策です。10年先を見据えてどのように動くべきなのか、大学や企業の皆さまと共に考えながら進んでいきたい」と話しました。また、秦野伸二副学長(研究担当、医学部医学科)が、本学の研究施設の概要や多様な支援制度を紹介。株式会社ニコンソリューションズ執行役員バイオサイエンス営業本部本部長の高橋恵太氏が、TICARにおける研究や人材育成の成果、今後の展望について語りました。

講演後に行われたパネルディスカッション「大学×企業×行政で創る研究基盤の未来―研究支援から価値創出へ―」では、本学URA教員の荒砂茜准教授(学術戦略研究所)がモデレーターを務め、高山氏、高橋氏、秦野副学長、木村教授、TICARを担当する粟野若枝技術職員(学長室研究支援・産学連携担当)が登壇。研究機器を共有するネットワーク構築に向けた課題や技術職員によるサポートの重要性、キャンパス間や他大学・研究機関との交流などについて産官学それぞれの立場から意見が交わされ、高山氏が「東海大の成功事例が他大学のモデルケースとなるよう、国内外に積極的に発信してもらえれば」と語りました。

閉会にあたり、ニコンソリューションズ代表取締役兼社長執行役員の松葉利貞氏とTICAR発足時に副学長として携わった稲津敏行学長補佐(工学部)があいさつ。関係者への謝辞を述べるとともに、新たな研究基盤の構築に向けた期待の言葉が送られました。