脇田教授が「やずや 食と健康研究所」が選出する「助成研究2021年MVP賞」を受賞しました

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海洋学部海洋文明学科の脇田和美教授がこのほど、「やずや 食と健康研究所」が選出する「助成研究2021年MVP賞」を受賞しました。同研究所では毎年、食と健康を通じて社会に貢献する研究活動を助成しています。脇田教授は2019年11月に「潮干狩りの社会学-貝の交換システムの成立背景と今後の展開-」で採択を受け、21年1月末に1年間の研究成果を報告書にまとめて提出。ほかの研究者による成果とともに審査され、MVP賞に選出されました。

脇田教授が研究テーマに選んだ潮干狩りは、日本の伝統的な海のレジャーであり、漁業者の重要な収入源としても全国に広がっています。しかし近年では環境の悪化により、有毒なプランクトンを食べたアサリなどの二枚貝が体内に毒を保有するケースが増加。各自治体による定期的な調査の結果、一時的に閉鎖せざるを得ない潮干狩り場もあります。一方で大阪府内では、採った貝を潮干狩り場の出口で検査済みの無毒の貝に交換する対策を講じており、脇田教授は貝を食べる際の安全確保や伝統文化を継承するための有効な手段として着目。この方法の成立背景や他地域に展開する際の留意点を現地でのヒアリングや新聞記事の分析などからまとめました。

今回の研究成果は、ユネスコ海洋学委員会が4月1日に発行したニュースレター「Harmful Algae News No.67」でも特集記事として表紙を飾りました。脇田教授は、「国内外で評価していただけるのは大変ありがたく、光栄です。江戸時代の浮世絵にも描かれた潮干狩りを継承するためには、食の安全を守ることが不可欠です。今後も沿岸水産資源の持続可能な利用の実現を目指すとともに、海洋環境教育の充実に寄与していきたい」と話しています。