小笠原村(父島)での新型コロナワクチン接種に向け、望星丸が清水港を出港しました

東海大学が東京都小笠原村で実施する新型コロナウイルスワクチン接種に向けて、医学部付属病院群の医療チームを乗せた本学の海洋調査研修船「望星丸」(国際総トン数=2174トン)が、6月19日に同村(父島)に向けて出港しました。本学では5月に、東京都、小笠原村と3者で、同村における新型コロナウイルスワクチン接種に係る連携・協力に関する協定を締結。同病院群の医師、看護師、薬剤師らで構成した医療チームを6月と7月の2回にわたって派遣し、同村に配付された医療従事者等及び高齢者向け接種用ワクチンの余剰と、国が追加配付する分を用いて父島島民の12歳以上64歳以下の希望者(対象者約1500名)に向けた集団接種を行います。

協定は日本本土から約1000km離れた国境離島である小笠原諸島に暮らす島民の安全・安心の確保に資することを目的としています。本学では、海洋学部を中心に望星丸でたびたび小笠原諸島を訪れフィールド教育を実践。さらに、小笠原諸島に多くの同窓生が暮らすなどこれまで深い交流を重ねてきたほか、経験豊富な医学部の知見を望星丸の機動力を活用して派遣することで、ワクチンの円滑な接種に向けて地域の実情に応じた効果的な実施体制確保に貢献できることから協力を決めました。望星丸の運航は上河内信義船長以下、同船のスタッフが通常通り担当し、全員が出港直前のタイミングでPCR検査を行うなど、感染拡大防止対策も徹底しています。

医学部付属病院高度救命救急センターの守田誠司所長ら計10名で構成した第1バッチのメンバーは、19日午前中に同病院のある伊勢原キャンパスを出発。清水港日の出埠頭に着岸した望星丸に乗船しました。出港に際しては、この計画を主導した本学の山田清志学長と山田吉彦静岡キャンパス長ら関係者が見送りに駆けつけ、山田学長が医療チームと望星丸のスタッフに向けて、「皆さんの熱い思いに支えられて小笠原村でのワクチン接種が実現します。すでに多くの方たちが注目し、期待が寄せられています。皆さん自身の健康にも留意し、元気に役割を果たしてください」とエールを送りました。守田所長は、「安全に、確実に、任務を果たしてきます」と力強く応え、上河内船長も「医療チームの任務達成に向けて、安全運航に努めることで、全力でサポートしていきます」と決意を語りました。

望星丸は出港後、針路を南に取り小笠原諸島へと向かっています。今後は、21日午後4時に父島・二見港に着岸、22日と23日に小笠原村・海上自衛隊父島基地分遣隊の体育館でワクチン接種に臨み、23日中に二見港を離岸。25日に清水港へと帰港する予定です。また2回目のワクチン接種に向けた医療チーム第2バッチは7月13日と14日に小笠原村を訪問する計画となっています。