ソーラーカーチームがBWSCのテレメトリー・チャレンジに参加します

東海大学スチューデントアチーブメントセンター(SAC)・ライトパワープロジェクトのソーラーカーチームが10月2日、3日に、秋田県・大潟村ソーラースポーツラインで「2021 ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ(BWSC)バーチャル・プログラム テレメトリー・チャレンジ」に向けた走行を実施しました。BWSCは2年に1度、オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまで約3000kmを縦断する世界最大級のソーラーカー大会として開催されていますが、今年度は新型コロナウイルス感染症拡大の拡大を受け中止となりました。テレメトリー・チャレンジは、その代替えとして実施されるものです。

東海大チームは、プロジェクトメンバーが経験を積む場とするとともに、今回の成果を23年度に予定される次回のBWSCに向けた新マシン開発に生かすために参加を決定。本学が定める新型コロナ対策のガイドラインに沿いながら、前回のBWSCで準優勝し、8月に同地で開催された「ワールド・グリーン・チャレンジ」でも優勝したマシンである19年型Tokai Challengerの整備や改良を続けてきました。現地では、BWSCを経験した上級生に加えて、この1年半の間、新型コロナ禍で満足いく活動ができなかった1、2年次生も多数が参加。総監督の佐川耕平講師(工学部)、監督の木村英樹教授(同)の指導の下、10月1日から本番さながらにピット作業やマシンに伴走する車両の準備、ドライバーやチーム内の連絡用のアマチュア無線の配置といった準備を進めました。

2日は午前7時から走行を開始。経験豊かな佐川講師がステアリングを握ると、低空力かつ超軽量ボディで、高効率な太陽光発電とモーター技術に加え低転がり抵抗タイヤなどによる優れたエネルギー性能を有するTokai Challengerの特性を遺憾なく発揮。順調に1周約25kmのコースを周回していきます。続いてプロジェクトリーダーの小野田樹晃さん(大学院工学研究科機械工学専攻1年次生)、伊坪岳陽さん(工学部電気電子工学科4年次生)もドライバーを務め、計9時間で約700kmを走りぬきました。3日は小野田さん、伊坪さんと遠藤龍作さん(同)がドライバーを担当。3名とも落ち着いたドライビングで平坦な直線コースを快走しました。両日ともに、マシンの背後では本番さながらに先導車と指令車も伴走。佐藤史也さん(同3年次生)らエネルギーマネジメントを担当する学生が、木村教授らとともに指令車で走行状態のデータを確認しながらドライバー陣に指示を出しました。

Tokai Challengerは2日間で1308kmを走行。最後にはピット前にBWSCのゴール地点であるアデレード市内のヴィクトリアスクエアにある噴水をビニールプールで再現して、ゴールの瞬間を喜びました。「学生たちはBWSCが中止となりモチベーションを維持していくことが難しい状況でしたが、この日に至るまでに今何をするべきか話し合い、それぞれの役割をまっとうしてくれました」と佐川講師。2年前のBWSCでもドライバーを務めた小野田さんは、「大会では経験がものを言いますが、1、2年次生はこの1年半あまり、ほとんどなにもできずに来てしまいました。8月のWGCも合わせて、この経験をつなぎ、コロナ禍以前の状態に戻していければ」と意欲を見せます。また、木村教授は、「秋分の日を過ぎ、なおかつ北緯40度と日射量が弱い大潟村でのチャレンジには不安もありましたが、2日間で大会本番に近い走行距離を残すことができました。この成果を次世代マシンの開発に生かしていく」と語りました。

チームでは、走行の終了後、湘南キャンパスでデータの整理を進め、走行中の様子をまとめた動画とともに10月21日に大会当局に提出しました。今後、大会ウェブサイトなどで公表される予定です。