ロシア人学生が日露のライフケアや医療・健康をオンラインで学ぶ「ヘルスケア・ライフケアプログラム」を実施しました

東海大学では2月15日から26日まで、ロシア人学生を対象にした「ヘルスケア・ライフケアプログラム」をオンラインで実施しました。本学が文部科学省の平成29年度「大学の世界展開力強化事業~ロシアとの大学間交流形成支援~」の採択を受けて展開している「ライフケア分野におけるブリッジ人材育成:主に極東地域の主に極東地域の経済発展を目的として」事業の一環で行ったものです。同事業では例年、医療を学ぶ学生たちが日露の医療や健康診断の実務を学ぶ「健診人材実務者研修」を行ってきました。しかし今年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、患者や医療従事者の安全を最優先する観点から双方の医療機関や医学部での実習を見送り、日本とロシアにおける医療をはじめとする科学技術研究や健康管理制度について本学と極東連邦大学の専門家から学ぶプログラムとして実施。極東連邦大学の学生3名が参加しました。

学生たちは、健康学部健康マネジメント学科の堀越由紀子教授による「What if ALS will happen: Medical and social support systems in Japan, Denmark, and the United States」や石井直明教授の「Future of Health Science」、柴田健雄講師による「Health Promotion Research and Health Check-up in Japan」、医学部医学科の谷口俊恭教授の「DNA Repair and Cancer: Lessons Learned from a Rare Genetic Disease Fanconi Anemia」、極東連邦大学生物医学部のArtyom Kiselev教授による「Varicoses as a Socially Significant Disease of the Modern Time. New Approaches of Treatment in the Russian Federation」などの講義を通して、患者のケアや遺伝子治療、静脈瘤研究などに幅広く学習しました。

また、新型コロナウイルス特徴を遺伝子解析の視点から学ぶ医学部医学科の中川草講師の授業や、脳科学の視点から視線と脳の関係を学ぶ創造科学技術研究機構の加藤明特任准教授の講義、日本美術について古代から現代までの系譜や素材、題材に込められた意味を学ぶ情報技術センターの田口かおり講師の授業なども受講。医療の枠を超えた、幅広い分野の最新研究にも触れました。

そのほかにも、同期間で行った「海外研修」に参加していた学生も交えて、日露の学生がフェイクニュースについて語り合うワークショップにも参加。両国関係で問題になっている同テーマについて意見を交わし、解決方法などを語り合いました。26日には修了式も行われ、国際教育センターの山本佳男所長が、「オンラインでのプログラム実施に協力してくれたパートナー校と参加したすべての学生たちに感謝したい。今後も皆さんとともに、ロシアと日本のよりよい未来づくりに貢献していきたい」と語り、学生たちの修了を祝福しました。

参加した学生は、「医療先進国である日本で学ぶ経験は、将来医師になるうえでも役に立つと思い参加しました。このプログラムを通して、基礎医学や臨床だけでなく公共や社会福祉制度を含めより広い視野で人間について考える必要があることを学ぶことができました。オンライン形式で行われたプログラムでしたが、先生方の講義はどれも素晴らしく、スタッフの皆さんにも手厚いサポートに感謝したい。いつの日か東海大学を訪れ、皆さんにお会いできることを願っています」と話しています。